再エネ発電の不安定さは「水素」でカバーせよ 先進地ヨーロッパで活躍する日本の水素技術

水素は地球上に豊富に存在するが、単体の水素分子として大気中に安定的に存在することは困難だ。地球上の水素はほとんどが水の状態で存在し、一部は地殻を構成する岩石中に、また石油や天然ガスなどの有機化合物として存在している。

 

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水素をエネルギーとして利用するためには、工業的に水素ガス(H2)を製造する必要がある。

水素の製造方法としては、製鉄所や石油化学工場などの製造工程で副次的に発生(副生水素)、天然ガスなど化石燃料の改質、水の電気分解などがあるが、原料に化石燃料を使う限りCO2を排出する。現時点で技術的にCO2フリー水素を大量生産可能なのは、原子力発電を別にすれば、再生可能エネルギー発電の電力を使った水の電気分解だけだ。

水電解(水の電気分解)による水素製造は、コスト高が難点だ。火力発電を使った場合でも、天然ガス改質に比べかなりコストは高く、再エネ電力を使った場合には、さらに割高となってしまう。

ちなみに日本では、再エネというと発電コストが高いというイメージが強いが、海外では、再エネ発電のコスト低下が進み、いまや再エネ電力は安いというのが世界の常識となりつつある。

 

東洋経済ONLINE

ノーベル賞受賞の米2氏が日本に決断促す「次世代加速器ILCの建設実現を」

 東北地方に建設が構想されている次世代加速器「国際リニアコライダー(ILC)」について、ノーベル物理学賞の受賞者である米ハーバード大のシェルドン・グラショー名誉教授と米カリフォルニア工科大のバリー・バリッシュ名誉教授が来日し、「素粒子物理学への貢献のほか、地元への経済効果も大きい。ぜひ実現させてほしい」と日本政府の決断を強く促した。

ヒッグス粒子の発見で「舞台は整った」

 ILCは極微の世界を究明する素粒子物理学の巨大な実験施設で、物理学者の国際組織が岩手・宮城両県にまたがる北上山地に建設する構想を進めている。

 素粒子の電子と陽電子をほぼ光速で衝突させ、宇宙が誕生したビッグバン直後の超高温を再現。物質に質量を与えるヒッグス粒子を大量に作り出し、その性質を詳しく調べることで、素粒子物理学の基本法則である「標準理論」を超えた新たな物理法則の発見を目指している。

 文部科学省の有識者会議は先月、ILCの科学的意義を認める一方、日米欧が分担する最大約8000億円の総建設費は「国民の理解が重要」とする報告書をまとめ、今月から日本学術会議が建設の是非を審議。これらの結果に基づき、政府が年内にも建設の是非を最終決定する見通しだ。

 

産経デジタル

日本人が開発リードする最先端がん治療、日本で承認されぬ矛盾

アメリカ帰りの外科医が大学病院に最先端の手術支援ロボット「ダーウィン」を持ち込んだ。このロボットを使えば「医者の手」ではできない超精密な作業が可能になり、今まで手術できなかった病巣を取り除くことができる。

 しかし、アメリカ政府はそのロボットを使う承認を出しているのに対し、日本の厚生労働省は認めていない。だから、日本の医療現場では一般に利用することはできない。

 歯がゆい思いを抱える患者たちの前に「治験コーディネーター」が現れる。彼女が提案する「治験」という方法を使えば、認可されていないロボットでも手術が可能だという。

 今年4月クールで放送され、トップの視聴率を記録した医療ドラマ『ブラックペアン』(TBS系)には、そんなストーリーが登場する。孤高の天才外科医役の嵐の二宮和也(35才)が主演で、治験コーディネーターを加藤綾子(33才)が演じた。

 このドラマの原作は、作家・海堂尊氏の同名小説だ。現実の医療界の光と闇をテーマにした作品で知られる海堂氏だけに、ドラマで描かれた話は現実からそう遠くない。

 夫を肺がんで亡くした妻(55才)が語る。

「末期の肺がんに効くとされる最新治療薬が日本で承認されました。もしもう1年早かったら、夫は助かったかもしれないと思うと…」

 乳がんを治療中の女性(42才)はこう語る。

「がんがわかってから本やネットで必死に情報収集して、アメリカで効果的な治療法が発見されたとのニュースを目にしました。自分もぜひ試してみたいと主治医に相談したら、『日本では認可されていないので』と断られました。効果がありそうな治療法なのであきらめられません」

 がんは人類にとって“最大の敵”だ。世界では1年に1400万人以上ががんと診断され、900万人弱が命を落とす。それゆえ、世界中の医療機関が躍起になってがん治療の研究を進め、日進月歩で進化している。

 もともと、がんの治療は、手術などの「外科療法」、放射線でがん細胞を破壊する「放射線療法」、抗がん剤を投与する「化学療法」の3大療法が柱だった。最近はそこに、人間が生まれながら持つ免疫力を利用してがんを退治する「免疫療法」が加わり、治療の可能性が飛躍的に拡大した。

 現在、最も期待されている最先端治療の1つが、免疫療法の一種である「キメラ抗原受容体T細胞療法」(通称、CAR-T療法)だ。

 体内に生じた異物を攻撃する免疫細胞である「キラーT細胞」の遺伝子を操作し、体内に潜むがん細胞を見つけやすくしたうえで、免疫細胞とがん細胞を戦わせる治療法だ。

 

NEWSポストセブン

がん治療にアルファ線…医療用放射性物質、研究進む

私たちの周囲には、天然の放射性物質が数多くあり、全ての生き物は日常的に放射線を受けている。放射線は大量に浴びると有害だが、上手に使えば、がんなどの病気を発見したり、治療したりするための、強力な道具になる。最先端の研究現場を訪ねた。(出水翔太朗)

的確に標的へ

 放射線には様々な種類がある。従来、がんの治療に使われてきたのは、物質を貫く力が大きい「ベータ線」だった。がん細胞は確かに死ぬが、周囲の健康な細胞にも同じ影響がある。

 そこで近年、注目を集めるのは「アルファ線」だ。アルファ線は物質を通り抜ける力が非常に弱く、紙1枚でも止められる一方、止まる際に大きなエネルギーを出す。

 「アルファ線を出す放射性物質をがん細胞まで誘導すれば、健康な細胞への悪影響を避けられる」と、放射線医学総合研究所(千葉市)の永津弘太郎・研究統括は話す。永津さんらは加速器を用いてヘリウムイオンを金属元素「ビスマス」にぶつけ、アルファ線を出す物質「アスタチン211」を作っている。

 研究のポイントは、アスタチン211を的確にがん細胞に届ける工夫だ。永津さんらは、がん細胞の表面に現れるたんぱく質にくっつく「抗体」に着目。抗体をアスタチン211と結びつけて、放射性医薬の候補を作り出した。薬が自分でがん細胞を見つけ出す仕組みだ。動物実験では、転移した胃がんが縮小、消滅する効果が確認できたという。

 アルファ線による治療は、欧米を中心に盛んに研究されている。日本でも、骨に転移した前立腺がんの治療薬が使われている。

 永津さんは現在、より多くのアルファ線を出せる放射性物質の作製に取り組む。「放射性医薬による治療の効果は大きく、今後も発展するだろう」と話す。

国産化目指す

 医療に欠かせないのに、供給不足に悩まされてきた放射性物質がある。心臓機能などの検査に使われる「テクネチウム99m」だ。国内で最も使われる、医療用の放射性物質だ。原料は同様に放射性物質の「モリブデン99」。半減期が約66時間のため長期保存できない。

 モリブデン99はすべて、外国の原子炉で作られている。原子炉設備や輸送に問題が生じるたびに品薄になり、今年も供給が制限される事態が相次いでいる。日本原子力研究開発機構の研究炉で生産する構想もあったが、この炉は廃炉が決まっている。

 量子科学技術研究開発機構の永井泰樹研究員(原子核物理)らの研究グループは、原子炉ではなく加速器を使い、国産でモリブデン99を生産するための研究を重ねている。資金があれば国産化できるところまでこぎつけた。永井研究員は「供給不足が起こると分かっていながら、海外頼みのままでいいのか。国産化に向けた具体策を真剣に考える時期が来ている」と主張する。

 

yomiDr.

銀河系外ニュートリノ 40億光年先の発生源特定

 銀河系外から届いた素粒子の一種「高エネルギーニュートリノ」の発生源の天体を初めて特定したと、南極大陸の氷床を使ってニュートリノを観測する国際共同研究「アイスキューブ」のチームが13日付の米科学誌サイエンスに発表した。宇宙物理学の大きな謎の一つとなっている、高エネルギー宇宙線の発生機構解明につながると期待される。

 ニュートリノは物質をほぼすり抜けてしまうため検出が難しい。アイスキューブでも高エネルギーニュートリノを検出したことはあったが、発生源は分からなかった。

 今回、アイスキューブでニュートリノが検出されたのは昨年9月23日午前5時54分(日本時間)で、1987年に観測できた超新星由来のニュートリノの1000万倍以上のエネルギーを持っていた。直後から世界各地の天文台や人工衛星がニュートリノの飛来したオリオン座の一角を一斉に観測。約40億光年離れた「ブレーザー」と呼ばれる天体から発せられるガンマ線が強まっているのを広島大の望遠鏡が見つけ、これが高エネルギーニュートリノの発生源だと特定した。

 

毎日新聞

トリチウム水を除去する新技術開発

放射性物質のトリチウム(三重水素)を含む水を除去する新技術を開発したと、近畿大学などの研究チームが発表した。東京電力福島第一原子力発電所では、汚染水から放射性物質を取り除いているが、トリチウムだけは除去できず、残った処理水(トリチウム水)の処分が課題となっている。研究チームは「トリチウム水の処分に貢献したい」と話している。

 トリチウムは通常の水素原子に中性子が2個付いた放射性物質で、通常の水とトリチウム水を分けることは難しい。

 近畿大工学部の井原辰彦教授(無機材料)と、アルミ箔はく製造会社「東洋アルミニウム」(本社・大阪市)などの共同研究チームは、アルミ粉末を材料に、直径5ナノ・メートル(ナノは10億分の1)以下の小さな穴(微細孔)が無数にあるフィルターを開発。トリチウム水の混ざった水を温めて蒸気に変え、フィルターに通すと、高率でトリチウム水を除去できたという。トリチウム水は水よりも分子が重く、動きにくいため、フィルターを通過しにくい可能性があると、同チームは推測している。

 

読売新聞

米、プルトニウム削減を日本に要求 核不拡散で懸念

米政府が、日本が保有するプルトニウムの削減を求めてきたことが9日分かった。プルトニウムは原子力発電所から出る使用済み核燃料の再処理で生じ、核兵器の原料にもなるため、米側は核不拡散の観点から懸念を示す。日本は保有量の増加を抑える上限制(キャップ制)を導入し理解を求める。プルトニウムを再利用する核燃料サイクルを進める日本の原子力政策に影響を与えそうだ。

 

日本経済新聞

 

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日本が保有するプルトニウムでは核武装はできない日本が保有するプルトニウムでは核武装はできない

河田 東海夫

元原子力発電環境整備機構(NUMO)理事

新元素、2年以内に?=「119番」検出へ実験装置-理研

理化学研究所は31日、未知の119番元素の合成、検出を目指す実験装置を仁科加速器科学研究センター(埼玉県和光市)で公開した。6月中旬から本格的な実験を始める計画で、研究チームは「条件が整えば、2年くらいで(新元素を)一つは見つけられるのではないか」と話している。


 物質を構成する元素は、理研が合成に成功し、2015年12月に認定されたニホニウム(原子番号113)など118種が見つかっている。119番元素以降は、元素を性質ごとに並べた周期表で「第8周期」と呼ばれる新たなグループで、ロシア、米国、ドイツなどの研究チームが発見を競っている。


 理研はバナジウム(同23)のビームを加速させ、標的のキュリウム(同96)に衝突させて119番元素を生成する計画。衝突で生まれた新元素を、磁力で効率的に検出器に導く装置などを新たに開発した。

 

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