水素とヘリウムの放射光大気圧XPS

ブルックヘブン国立研究所の研究チームは、世界で初めて水素とヘリウム原子の振動構造を放射光大気圧XPSで観測した。これまで、周期律表の2つの最も軽い元素である水素とヘリウムのX線光電子分光法(XPS)スペクトルを得ることは不可能であるとされていた。これは、光電子放出の断面積が低いためである。

 

困難な水素とヘリウムの光電子分光

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Credit: US Department of Energy

 

この研究は、水素とヘリウムの大気圧X線光電子スペクトルが、NSLSIIのような高輝度X線光源を用いることで計測可能であることを実証した(Zhong et al., Appl. Phys. Lett. 112, 091602, 2019)。

ヘリウムガスの場合、スペクトルは唯一の軌道から放出される対称的なピーク形状を示すが、水素ガス分子の場合、非対称ピークが観察される。これは最終状態の異なる可能な振動モードに関係している。

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Credit: Appl. Phys. Lett.

NSLSIIのEPUを光源とするスペクトロマイクロスコピー実験レイアウトを下に示す。1-10keVの領域でEPUとSCUで高輝度性能は群を抜いている。NSLSIIの関係者と話をすると真空封止型アンジュレーターには興味がなく、超伝導W/Uを考えているといっていたことが印象的だったが、ようやくその結果が出はじめたということなのだろう。

 

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Credit: NSLSII

ダンピングウイグラーという禁じ手を使い古いラテイスにこだわる一方で、EPU-SCUで実現するTender X-ray領域の高輝度で、マイクロARPES、大気圧SPEM、大気圧XPEEMをまとめたESMビームラインのポテンシャルは大きい。こうして考えると必ずしも流行にこだわらないNSLSIIの「我が道を行く」哲学が理解できるような気がする。

 

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Credit: EMS@NSLSII

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