セシウム137の生物濃縮—過熱する海外報道

 最近、国内での放射線レベル報道について落ち着きがみられるが、海外ではTEPCO情報が翻訳され、福島第一原発の地下水のセシウムCs137(以後Cs137と表記)放射線レベルが過去最高値となったこともあり、核生成物により汚染されるという海外報道が増えた。特に太平洋を隔てた米国西海岸では生物濃縮で汚染された魚が米国西海岸に到達する、という報道がある。報道の多くが科学者の報告を根拠にしているので(*)、一般の読者はそのまま受け入れてしまいがちだ。Cs137は半減期が長く生体に取り込まれ易いため、生物濃縮が進み汚染された太平洋の魚が米国西海岸にたどり着き住民が被曝するというのだ。

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BlackswanとDragon King

 The Physics of Wall Street(ウオール街にやってきた物理学者)[1]の著者、James Owen Weatherallは(賛否はともかく)自身が物理学者を主に雇用して設立したファンドで、ウオール街の顔ともいえるバフェットやソロスの会社を上回る営業成績をあげた。金融工学などというききなれない講座が経済学部ならぬ工学部に誕生しているが、一方では電子取引と数式の得意な物理学者が考えだした「ねずみ講」もどきの投資行動が、金融危機を引き起こした。もしかしたら核兵器よりも人類に深刻な影響を及ぼしかねない。

[1] James Owen Weatherall, The Physics of Wall Street: A Brief History of Predicting the Unpredictable, Houghton Mifflin Hardcourt

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J-PARC事故後の取組に関する住民への説明

 J-PARCの加速器の放射線漏えい事故により地域住民はもとより国民の多くが、加速器科学に懐疑と批判の目を向けている。住民説明会においてこのことを示す質問が突き付けられた。ここで住民、というのを国民、に置き換えてみる方がわかりやすい。昼夜を問わず敷地内にこもって何をしているのか、そしてそれらは何になるのか。もっともであろう。

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野外で飲める美味しい珈琲

 キャンプ用品の店内には驚くべき発見がある。例えば薄い紙容器に挟まれた珈琲粉に熱湯を注げば美味しい珈琲ができるGrower’s Cup(http://vimeo.com/30009432)という製品だ。野外で飲む珈琲の歴史は古く、米国の西部開拓時代にカウボーイ達が野営するとき、必ず飲む必需品であった。

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南欧のクリスマス

 クリスマスはキリスト教圏においてとても大事な行事である。日本でも前世紀から導入されて祝う様になっているが、本家のものとは随分様相が違う。キリスト教圏のクリスマスは極東アジアの正月にとても似ている。クリスマスには親戚一同集まってご馳走を食べて子供達に贈り物をする。当然ご馳走もクリスマス用の特別な物で、食べ物にも色々意味があったりする。そういう点では日本のおせち料理も同じである。お年玉もかつては物や飴だった様なので、そこも似ている。日本では現在現金のやり取りになっているが、贈り物をあげるというロマンチックな行為をクリスマスプレゼントに見いだしたのかもしれない。

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ヒューマンエラー考察 —負の連鎖を断ち切れ

 科学者、技術者(理科系)が起こしたくないと常に思っている事。それがヒューマンエラーだ。掟のようなものである。丹誠込めて設計した装置は完璧でありたいと思っている。完璧なはずの装置が運転者の落ち度で台無しになることなど想像したくないのだ。実際に放射線管理会社の統計をみると、フイルムバッジ(線量計)のモニタの結果、研究者の被曝量は他の業種に比べて圧倒的に低い。業種の中には常時、放射線に接する医療機器のオペレーターなどある程度の被曝が避けられないものも確かに存在するのだが、研究者は何故被曝が少ないかというと、放射線を理解しているからであろう。

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PM2.5

 大気中に浮遊する微粒子のうち、粒子径が概ね2.5μm以下のものをさす。同様な定義でPM10もあるが、健康への害の深刻なPM2.5が空気中に浮遊する微粒子の汚染度の目安とされる。地球上の分布をみると大陸の多い北半球、おもに中国からインドを経てアフリカへとつながるベルトをなしている。いわゆる発展途上国にほかならない地域だ。

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Broken Arrow

 "Broken Arrow"は、“核兵器紛失”を意味する暗号である。1996年のクリスチャンスレーターとジョントラボルタ主演の映画ではステルス爆撃機に搭乗し低空飛行による国境突破の模擬演習中にトラボルタが演じるディーキンスは核弾頭の強奪を行い起爆装置のタイマーを起動してしまう。滅多に悪役を演じることのないトラボルタが悪役となるストーリーや西部の美しい背景が印象的な映画だ。

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