ハブ空港について(羽田空港の未来)

 成田に夜便で到着すると長距離バスがなくて、やむなく空港近くのホテルに滞在せざるを得なくなる。レートはどこも40-50%オフなのだがレストランやサービスにおいて都心のホテルに遠く及ばない。我が国の玄関であるはずの空港でATMを探すと都市銀行は使えない。不愉快である。羽田は都心に簡単に移動できてこの点便利である。また成田で羽田便に乗り換える外国人が長蛇の列をつくっているのをみると気の毒である。おもてなしとはこういうことなのか。ヒースローとガドウイックあるいはドゴールとオルリーやJFKとラガーデイアも便利とは言いがたいが、このようなの苦痛がハブ空港によって解消する。疲れきって移動する時間にレストランやラウンジで疲れを癒したり、ショッピングを楽しんだりできるのだ。またビジネス旅行者はネットで一仕事できるだろう。民営化前のヒースローでは国際線の乗客が集められて離陸直前まできまらないゲートがちっぽけなスクリーンに現れるのをじっと待っていた。さながら世界の縮図、人生の縮図であるこの時間が苦痛だったが、今は巨大なモールで楽しい時間が過ごせるらしい。


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 羽田空港のD滑走路のオープンに伴い、これまでチャーター便と韓国へのシャトル便のみの海外路線就航であったが、アジア8都市、北米6都市、欧州2都市(ロンドン線就航予定)への定期便就航が決定した。日本航空、全日本空輸以外にもアジアではシンガポール航空、マレーシア航空、キャセイパシフィック航空、エバー航空(大韓航空、アシアナ航空、中国国際航空、中国東方航空、上海航空、エミレーツ航空、カタール航空で、韓国路線はシャトル便として就航中)、北米の航空会社ではデルタ航空、アメリカン航空、ハワイアン航空が(一部コードシェア便にはなるが)就航予定である。新東京国際空港(成田空港)との差別化の為か、現在予定されている就航便は24時間空港のメリットを生かした、深夜・早朝便が多い。


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 海外の国際ハブ空港と都市間のアクセスはソウル-仁川空港間で1時間30分(ソウル-金浦空港で40分)、JFK国際空港-マンハッタン間も1時間、ダレス国際空港-ワシントンDC間で50分など、ほとんどの国際空港ではアクセスに1時間ほど要していることを考えると、成田空港が極端に都心から遠いというわけでもない。しかし、空港とのアクセス時間の短縮はビジネスだけでなく、観光においても強みである。成田空港の都心からのアクセスや、空港機能を比べると、現状では羽田空港に勝るところが見当たらない。当初の羽田と成田空港の役割分担(国内線、国際線の棲み分け)は失敗だった。日本の玄関口にふさわしいインフラを考えれば選択肢は限られていたはずであるが、時として土地価格と政治的判断が計画をねじ曲げてユーザーが迷惑する。

 成田空港と羽田空港の役割を長距離路線の欧州、北・南アメリカと、アジア、オセアニアに分けた場合、アジアから日本を中継して北米へ(またはその逆)という場合、羽田—成田間のアクセスが不便である。羽田と成田は近すぎて航空機を飛ばす距離ではなく、国際ハブ空港を計画するのであればシャトル便が羽田空港間で結べる距離に平行滑走路2本以上で作るべきだった。

 巨大ハブ空港には平行滑走路(離着・発着専用1本づつ)2本と、横風用の直交する滑走路が最低必要だ。羽田空港は東京湾に面していることから、埋め立てにより滑走路を増やすことも可能であるが、成田は平行滑走路2本が限度であることからも、今後は羽田空港からの国際線定期便が増えるであろう。また、羽田空港は都心へのアクセス利便性は群を抜いており、滑走路の増床次第では仁川空港に座を奪われているアジアのハブ空港として機能していくことも可能である。


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 どちらにしても、利用者の立場からすると一本化することが必要である。関西国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)、神戸空港も同様である。日本には採算性の乏しい地方空港が多数存在している。拠点を数か所に集約すれば、各空港に費用も集約できるため、拡張も中途半端にはならないし、空港の集約は航空会社にも赤字路線を減らすメリットがある。空港からのアクセスや、空港の無い都市は高速鉄道の整備により、十分に補うことは可能である。これら空港の乱立や日本航空の経営破たんの一端は航空行政の認識の甘さが災いしているのではないだろうか。ユーザー(顧客)本位のdecisionを経営者(政府)はしていく時期に来ているのだ。失敗に学べである。



(フォローアップ2014.7.25)

伊丹と関空を統合経営する試みは失敗に終わった。どちらかに一本化して集中投資する必要がある。まずどちらかを売却して他方の負債をなくし健全な運営状態を確立すべきであろう。

関空・伊丹 2.2兆円超売却へ(2014.7.25)

太田昭宏国土交通相は25日の閣議後会見で、関西国際空港と大阪(伊丹)空港の運営権売却(コン セッション)に向けた入札条件などを定めた「実施方針」を同日付で承認したと表明した。法律で定められた手続きで、今後実施方針に従って進められる入札を 経て決まった企業連合に対して、両空港の運営権が2016年1月にも移行する。(毎日新聞)

 

 

 

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