地震波トモグラフイ

 地震波トモグラフイ(Seismic Tomography)は地球内部やマントルのの密度や温度分布を3Dイメージングする技術である。地震と原子炉安全性は切っても切れない関係にある。敦賀原発の原子炉建物直下に活断層があることから新基準を満足できずに廃炉になる可能性が高い。

 

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 敦賀原発直下の活断層の調査で使われたのは反射法地震調査で、地震波トモグラフイと同じ原理である。早く言えば人工地震波を衝撃や振動でつくりだし反射波地震計で観測する。地層境界で地震波が反射、屈折されて戻ってくる。これを同時に、異なる場所で観測して解析する。

 反射法地震探査のメリットは、地層の構造や変化、地層の性質を連続的・視覚的に得られる点である。 さらに3次元反射法(地震波トモグラフイ)、S波を用いた多成分反射法の利用、個々の反射面の反射係数の変化やP波とS波の反射断面の違いを検討することにより、反射法地震探査で得られた情報から地下の地層の性質を可視化する技術が開発されている。

 

Farallon Plate

 

 シェールオイル、ガス掘削では1,000m以上の深部にある岩盤に含まれるシェールオイル、ガスの詳細なマップつくりがフラッキングの採算性の鍵となっており、近年の資源開発の先端技術のひとつである。

 さて同様に地下の火山活動が噴火につながるとして警戒が高まっているイエローストーン国立公園だが、このほどユタ大学の研究チームが地震波トモグラフーで火山のマグマの3Dイメージを得ることに成功した。

 イエローストーン国立公園地下には大型のマグマが溜まっている。地下の火山は64万年前に噴火した。地震が頻繁に起こり地面の隆起や噴気の活発な動きが観測され火山活動の活発化が懸念されている。

 このたびユタ大学のHsin-Hua Huangをリーダーとする研究グループは巨大なマグマ溜まりを発見すると同時に、地震波トモグラフイによる地球内部探査でその下の火山を調べた。調査によると差し迫った噴火の危険はないが、火山活動に関して詳細情報が得られた。

 Seismic tomographyは上記の3D反射法地震探査で、音速(p波)の伝搬速度が密度に依存することを利用して地下の密度分布の3Dイメージを作成する手法である。

 それによればこれまで知られていた地表近くのマグマ溜まりの真下に別のマグマ溜まりがあることがわかった。新しく見つかったマグマ溜まりはマントルに接し、その下にマントル深部からの上昇流(plume)(注)が存在することをつきとめた。これによってイエローストーン周辺の地形がどのように形成されたのかの手がかりが得られるとしている。

 

Researchers-locate-huge-magma-reservoir-beneath-Yellowstone

 

(注)Plumeとは上昇気流のこと。原発から排出された放射性廃棄物が上昇気流で高層に運ばれる。この際の粉塵を含む上昇気流をさすこともある。

 

 原発の直下地層の詳細な反射法地震探査、できれば地震波トモグラフイーをきちんとやりデータを揃えれば、再稼働の支持も得られるだろう。根拠がないのに地震がないと断定するから問題なのであろう。シェールオイル、ガス掘削において成否を分けたのはこのような探査技術であった。使わない手はないしできたら定時観測で異常を早く察知したい。

 

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