イリジウム192の話題

イリジウムの安定同位体は191と193で192は放射性同位体、半減期は73.83日でβ崩壊により192Ptとなる。

 

イリジウムは地球上に存在量は極めて少なく、多量あれば地球と宇宙の接点であることが多い。つまり宇宙から来た元素ということになる。例えばK-T境界のイリジウム層は隕石の衝突で地球上にもたらされた。これが恐竜絶滅のきっかけとなったといわれている。またロシアのツングースカ大爆発の爆発地点でもイリジウムが検出された。

さて大量の検査用のイリジウム192がグアテマラ国境に近いメキシコCardenasの車から盗難にあい、危険性の高いIAEAのカテゴリ2(注1)に分類されることから問題となっている。

メキシコでは以前にもCo60が盗難に合っているがこのときにはIAEAカテゴリ1であった。またこの事件に関連して6名の被爆者がでたということである。下の写真は医療用の小型線源。

 

Foto-7

 

日本でもイリジウム192線源の盗難が報告されている。このときには工業用非破壊検査装置用に専用容器に収納した状態で370GBqが盗まれた。幸いこのときには内部の封入されたロッド(注2)が川で発見され大事にいたらなかった。発見に至ったのはNaIサーベイメータでの周辺調査だった。

(注1)IAEAのカテゴリ
1 数分から1時間で死に至る
2 数時間から数日で死に至る
3 確率は下がるが数日から数週間で死にいたる
4 被曝の症状が出る
5 永久的な障害は出ない

(文部科学省放射線安全規制検討会試料(2005.9)

(注2)線源収納容器にいれられたものをアフターローデイング線源と呼ぶ。

(注3)非破壊検査装置
簡便にはマイクロフォーカスX線透視装置が使われるが、吸収係数が大きいとガンマ線を用いる必要があり、イリジウム(400keV)やコバルト(1250 keV)同位体を用いることになる。下の写真はポータブル型(上)とCo60を使った大型(下)装置。

 

Portable Xray generator

 

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