水爆の放射性廃棄物で新たな太平洋の核汚染リスク

太平洋の放射能汚染といえば福島第一の汚染水排出と思われがちだが、すでに忘れ去られようとしていた水爆実験の放射性物質を閉じ込めたはずのコンクリートドームが水没し、放射能漏れを引き起こしている。

 

エニウェトク環礁

マーシャル諸島にあるエニウェトク環礁は米国が30メガトン級の核兵器を43回に渡って実験を行った。実験後の核汚染の処理には8000人が従事して汚染箇所を11万トンのコンクリートで閉じ込める工事が行われた。しかしチェルノブイリ同様にコンクリートドームは劣化し海面上昇で汚染物質が太平洋に流れ込む恐れがある。

1942年から1962年にかけて広島の2000倍の威力の核爆発が43回も爆発した跡地の核汚染を閉じ込めること自体想像を絶するものがある。ドームを建設する前は核爆発でできた巨大なクレーターに海水が満たされていた。問題は集められた高レベル放射性物質が海水を抜かずにクレーターに廃棄されたことである。プルトニウムの半減期は24000年である。

 

島を作っているサンゴはポーラスで脆い。海水面の上昇によってドームと海水面の高低差が減少している。コンクリートの耐用年数は半減期に比べて100年と比較にならないほど短い。このためドームの劣化が進み海中に沈み込めば大量の放射性物質が太平洋を汚染する。チェルノブイリではシェルターで全体を閉じ込める作業が完了したが、サンゴ礁では現在のコンクリートドームをどうするか手のつけられない問題となりつつある。

平和であるはずの南海の楽園は20世紀半ばから戦争と核実験の犠牲になった。米国より先にこの島を占領したのは核兵器の洗礼を受けた日本であったことは皮肉である。

 

Enewetak Atoll 913221

Credit: express.co.uk

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