巨大フレアで起きる「全電源喪失」リスクに備えよう

北朝鮮の核実験の可能性が高まる4月25日だが、それとは別のもっとスケールの大きい地球の危機が話題になっている。太陽フレアである。フレアがもたらす磁気嵐はこれまでも度々地球に影響を与えてきた。このコラムでもリンクを張っている宇宙天気予報によると、4月24日付の情報では以下のような記述がある。

 

宇宙天気予報から抜粋

4月21日15時(UT)頃に発生した緩始型地磁気嵐は、23日21時(UT)頃に終了しました。

 

フレアの危機は本当に去ったのだろうか。米国のトランプ大統領は4月19日にわざわざ記者会見を開いて、磁気嵐が地球に与えるリスクを警戒するように訴えている。NASAによると2012年7月の太陽フレアは地球を壊滅させるほどの規模だったとしている。

NASAの発表では21日の太陽フレアの影響で、太陽のコロナの密度が低い領域(コロナホール)が生成し、太陽風がここを通って吹き出した。コロナホールは太陽の磁場が局所的に裂け目ができた箇所のことである。

 

太陽風で荷電粒子が地球に到着するのは4月23日から24日にかけてで、地球磁場が影響を受けることになる。太陽風は磁気嵐を引き起こすが、4月21日に起きたサンフランシスコなど北米の大都市の停電はフレア発生とほとんど時差がない。

太陽嵐が起きると地球に電磁波が8分後に到達して電波障害が発生、その後数時間で放射線が到達する。最後にコロナからの荷電粒子放出の影響が数日後に起こると考えられている。

 

送電網に影響を与える荷電粒子の影響は23-24日のはずだが、時間遅れがほとんどない電磁波の影響で送電システムに不具合を発生させた可能性はある。

太陽フレアの等級はX線強度でAからXまでの5段階に分類される。一方太陽光のHアルファ線(656nm)の強度からは1-4等級に分類される。送電網や通信施設に影響が出る規模の太陽嵐では、通信と電力が完全に麻痺するので、地震や津波だけでなく普段から全国規模の「全電源喪失」に備える必要がある。

 

太陽フレア直撃でも慌てないために

忙しい生活パターンに余裕の生まれる連休を利用して、一度「電源喪失」、「通信網喪失」の状況をシミュレートして、非常用の電源や無線機などを備えておくと慌てないで済む。何よりも大切なことは、「そのような自然災害」と向き合って生活していることを頭におくことではないだろうか。

なお危機管理はあらゆる場面を想定すべきで、核ミサイルの備えだけでは済まされない。21日の太陽嵐を19日に警告したトランプ政権の危機管理能力は評価されるべきだろう。準備する余裕がある警告ならパニックにならないからである。

 

事前の警告という点ではNOAAが太陽フレアが4月3日の時点でMクラスの確率60%を出している。フレアからのEUV光で地球上の短波とラジオ波の電波障害が起きる可能性を指摘している。

X線強度で見た太陽フレアの活動は下図のように分刻みで変化する。この図は少し古いがMクラスとXクラスを記録した時のもので、Xクラスは規模が大きい。今回のフレア活動による地球磁場への影響の情報はSpaceweatherにデータがあるので、詳しくは参照して欲しい。フレア・太陽風情報は興味本位やオーロラ愛好家のためでなく通信・送電を含む日常生活への脅威となる自然災害のリスクを持っているので、天気予報に加えて欲しいところだ。

日本の天気予報はそういう意味では能天気だ。紫外線情報だけでなく、その背景となるフレア・太陽風情報を含めたら良いのではないだろうか。

 

xrays

 

輝度の高いオーロラを発生させた太陽風の影響が21日から22日にかけて始まり24日まで続いた。太陽フレアによってコロナ質量放出(CME)があり磁気嵐を引き起こした。CMEの出現はこのデータから推測できるが、宇宙天気予報では「21日6時(UT)現在、SOHO探査機の太陽コロナ画像(LASCO)とSTEREO探査機の太陽コロナ画像(COR)によると、今後の地磁気に大きな影響を与えるCME(コロナ質量放出)は新たに観測されていません。

とあるので、CMEの出現とその影響はその後(21日6時以降)だったと思われる。Spacewatherと宇宙天気予報の他、リアルタイム情報は別のサイトで知ることができる。

世界中から極地に集まるオーロラ愛好家のために1時間単位でオーロラ情報とリアルタイム太陽風ダッシュボードで情報を提供しているAurora Alert

 

 

 

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