衝突安全システム−事故を防ぐIT

 身の回りを眺めてみればIT技術に囲まれている事に驚くだろう。一昔前はPCや携帯電話くらいであったはずがだ、今では一昔前の大型計算機並みの処理能力のPC、スマホ、音楽プレイヤーを始め、TV、電子レンジなどほとんどの家電製品がcpuを持つ。車はエンジンの電子制御に始り、今日ではサスペンション制御やクルーズコントロールなどの安全システムが欠かせない。HV、EVにいたっては電子機器と呼べるほどである。国内の年間交通事故死者数(事故発生から24時間以内に死亡した人数)は、1970年に1,6765人まで増加したが、2010年には4863人にまで減っている。この事故死者数の大幅な低減に貢献したのが、衝突安全システムの普及だと言われている。

 

 

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 現時点で先進的な対人衝突安全システムは、ボルボ社のセーフテイパッケージとされる。これは赤外線レーザーと高解像度カメラおよびミリ波レーダーで構成されるセンサーシステムが備わり、車両の前方をモニターし、車両と同じ方向に走っている人間やサイクリスト が走行進路内に入り、衝突が避けられないと判断した場合に、警告と同時にフルブレーキを作動させ、追突を回避ま たは軽減する機能である。他にもボンネットエアバッグやボンネット脱離機構等は特に歩行者の多い都市部では価値が高く今後、各社が装備していくことになると思われる。

 さて長距離ドライブにおいてアクセルペダルから足を離せるクルーズコントロールは疲労をおさえる、ドライバーが使いたいシステムである。しかし現実にはミリ波レーダー技術はプリクラッシユセーフテイ(衝突前にブレーキアシストやシートベルトプリテンショナーが働く)付きのクルーズコントロールでなくては、身を任せることはできない。ミリ波レーダーで先行車を検知し,先行車に接近して追突の危険が迫ると,警報ブザーとディスプレイ表示で警報を発して,ドライバに減速を促す。しかしそれでも減速が不十分で衝突の回避が困難と判断されたときは,強いブレーキ制御が自動で行われ,衝突速度を下げるとともにシートベルトを巻き取り,乗員を拘束することで被害の低減を図るものである。

 

 小型バイクから大型車両まで種々の物体を距離計測範囲は数m〜百数十m程度まで,また計測速度は100km/h程度を気象条件や時間帯によらず,安定検出する必要がある。ミリ波とは,一般に30GHz〜300GHz(波長10mm〜1mm)の周波数帯であり,波長が非常に短い電波である。多く用いられるのはミリ波帯の77GHzを使うもので、専用のICチップが市販されている。

 前方へのミリ波レーダー照射ばかりでなく左右後方に向けた側面衝突防止レーダーにより、左右後方の車を検知してドアミラーに警告を表示するシステムがある。国産車の場合、多くは高速(100km/h以上)領域では、車間を一定に保つレーダークルーズは機能しない。アイサイトも高速は100km/h以下で使用するようになっている。実際には高速は120km/h程度で流れていることが多いので、高速上限を140km/hにして欲しいが、ブレーキングレスポンス速度の向上には機械的な改良も必要になりコストがネックとなる。一部のシステムでは高速でレーンチェンジ方向の指示をしてくれる。

 光センサー類はどうしても天候と時間帯に制限されるので、全天候で動作するミリ波レーダーの高度化が本命のようだ。高速で動作する化合物半導体チップを用いた国産のレーダーシステムの普及が待たれる。

 

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