緊急地震速報の現実

地震予測は膨大な研究が続いてきたが今だに整備されていない。緊急地震予報はといえば、大抵は携帯、スマホが鳴り響きパニックを煽るものの、実際に感じた地震の大きさにお大袈裟だったのではと思うことが多い。しかし311地震の様に突然に襲われるよりは、数分でも前に緊急予報が届いたら、ある程度は落ち着いて対処できたかもしれない。

 

時代の最先端は重力波で瞬時に地震の襲来を知る研究だとされる。そのためにもKAGRAを加えた世界の重力波観測網に期待したいが、ここではそれ以外の緊急地震予報システムの最先端を紹介したい。(Minson et al., Science Advances 4, eaaq0504, 2018)。米国の地質調査所の研究グループの論文であるが実例に使われているのは東北、熊本を始め日本の地震の場合である。

 

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Credit: Science Advances

 

上図は最近の日本の地震の規模と緊急速報のレスポンスを示したもの。時代とともにレスポンスが改良されていることが示されている。(A)はM9.0の東北地震、(B)はM7.0の熊本地震、(C)はM6.9岩手・宮城内陸地震である。青色はJMA EEWシステム(注1)からのマグニチュード推定値、黒は実際のマグニチュードを示す。推定は動的破断モデル(Kinematic Rupture Modeking)により行われるが、モデルの進歩で精度が向上していることが示される。

(注1)気象庁の緊急地震速報 EEW(Earthquake Early Warning)システムでは、緊急地震速報は震度4以上が予想される場合、警報と予報が出される。前者はTV、ラジオ、携帯電話、防災無線の発信を伴う。

 

地震波には主に2種類の波がある。速いス ピードで伝わる波をP波、伝わるスピードは遅いが揺れは強い波をS波である。P波は地中を秒速約7km(時速約25,200km) で、S波は秒速約4km(時速約14,400km)で伝搬する。この ため、地震波の伝わる速度の差を利用して、先に伝わるP波を検知した段階で、揺れを予想し警報もしくは予報が発令される。

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Crtedit: Science Advances

 

現状の動的破断モデル予測は実測値に近く、速報精度が向上しているので地震警報の信頼性は高いということになるが、PGA(最大加速度)。が大きいすなわち大地震の場合には警告の余裕がないので、現実には大地震ほど速報の効果が期待できないということになる。

やはりP波の観測に頼る限り、地震速報に頼り過ぎるのは危険だということを認識しなければならないようだ。

 

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