NドープC20フラーレンの欠陥生成メカニズムが解明される

学術的な興味でのフラーレンの研究はカーボンナノチューブへと展開してやがてグラフェンの研究の大きな潮流の起源となった。これらの炭素系新物質の基礎物性が確立すると、その電子材料のポテンシャルが認識されこれを発揮させるためのN(B)ドーピングの試みが活発化している。

  

古典的な半導体ドーピング技術は試行錯誤で完成度が高まったが、今日の炭素系新物質のどーピングではDFTのような計算手法が威力を発揮する。

ロシアの研究チームはノンドープとNドープC20フラーレンの隣接した2つの炭素原子の並びが90度回転したストーン・ウェールズ欠陥(下図)の発生メカニズムを調べ、欠陥構造とそれにいたる過度的な構造を明らかにした。(Katin & Maslov, Physica: E, 96, 6, 2018)。

 

FIG 3 a b A single Inverse Stone Wales defect c f Multiple defects can be copy copy

Credit: researchgate

 

炭素を置換するN原子の数と位置に依存してストーン・ウェールズ欠陥は直接的にあるいは中間状態を介して生成することがわかった。C20における欠陥生成のエネルギー障壁はC19Nでは4.93eVから2.98eVに低下することから、N ドープで欠陥が生成しやすくなるが、さらにNドープが進みN置換のサイトが増えると2eVまで低下して欠陥が容易に生成される。

 

この研究で対象としたC20とNドープC20は室温で安定であるが、750K以上の温度では欠陥の導入で不安定になる。DFTの適用で安定な温度領域がわかれば、ドーピングの熱処理温度を安定領域に保つことができる。分子性新物質は今後、シリコンやゲルマニウムへと展開しているが、この研究でドーピングの制御には分子動力学シミュレーションによる安定性の研究が効果的である事が示された。

 

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Credit: Phisica

 

 

 

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