新地震予知システムがイタリア地震を予知〜可能になる地震予知

地震予知に日本が莫大な研究開発費を投入したが未だに地震予知が不可能という定説がまかり通っている。地震研究者がつくる有識者会議も公式に「地震予知は不可能である」としている。それは果たして本当なのだろうか。

 

新地震予知システム

イタリアの火山地球物理研究所の研究グループは信頼できる地震予知システムの研究開発に成功したと発表した(Sci. Adv. 3:e1701239 (2017))。研究グループは2016-2017年に起きたイタリアの余震予知に成功したとしている。

日本と並んで地震が多いイタリアでも多くの地震研究者が(日本同様に重点的な政府予算配分を受けて)地震予知の研究に取り組んでいる。耐震建築の多い日本と対照的に、石材を多用した古い建築物が多いイタリアは大規模地震で建物が倒壊し犠牲者を出すため、地震予知には神経質である。

これまで日本同様に地震予知の成果は少なかったが、研究が進展しついに本震の後に続く余震の予知は高い精度で可能になった。一連の余震は連続して級数的に起こるため、統計処理で余地が可能だが、問題は一部の余震がランダムに起きる。ごく稀には余震が本震より先に起こることさえある。

 

ETASとSTEPを併用

この例外的な余震の存在によって統計学的な余震余地の精度が悪かった。新地震予知システムは3つの予測モデルで構成される。最初の2つは情報のクラスター化で地震を余地するETAS(epidemic-type aftershock sequences)として知られている。3つ目はSTEP(short-term earthqyake probabirity model)で数学的処理に基づいている。

これらの予測モデルを改良して研究グループは2016年の実測データとその余震のデータを入力した。この地震の余震は通常の余震と大きく異なるため別名(Amatrice-Norcia)と呼ばれたが、新システムでは余震として発生場所、発生時刻、マグニチュードを再現することに成功した。

 

研究グループは新システムはまだ改良の余地があるとしているが、地震予知は実用的なシステム構築に向けた次のステージに入った。

今回の余地は余震に関するものなので本震の予知はまだ先の話であろう。しかしこの機会に「地震予知は不可能」という文言は捨てて、新しい動向を取り入れて再スタートすべきなのかもしれない。

 

e1701239.full

Credit: Sci. Adv.

(A)予報時間帯に発生したアマリスシス地震とM3.5 +地震(青緑色の丸)の数時間後の予測番号3。 (B)10月26日に発生したM5.9の地震(青緑色の星印)の前、予測番号15、(C)10月30日に発生したノルチャM6.5地震(青緑色の星) (D)1月18日に発生したCampotosto M5.5地震(青緑色の星)の前の、予測番号35。(予測番号は論文中の表参照)

 

地震予知は不可能という態度は不自然だと感じる人は少なくないのではないのではないか。研究開発はもともと将来、「可能になる日が来る」ことが前提なので、予算化するるということはいわば「未来への投資」なので、最初から「不可能」ならなぜ膨大な予算を使ったのかと問われても仕方がない。

 

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