太陽放射に依存する気候変動〜温暖化に不都合な真実

太陽活動が長期的な変動を繰り返し低下した時に氷河期を迎えることについてはすでに紹介した。また最近のロシア科学アカデミーの研究者が太陽活動が低下する傾向にあり、約15年後の2030年から寒冷化が強まり、ミニ氷河期(Little Ice Age)に突入するという学説が発表されていることも紹介した。

 

極地海氷への暖流の影響

地球表面平均気温が温室効果ガスによって上昇を続け、地球環境に深刻な打撃を与えるという温暖化説が霞むほどになった。温暖化説の根拠の一つである北極(あるいは北極と南極)の海氷の減少も最新の研究によると(南極の場合には)暖流の影響によるものであることがわかった。

12月20日にサハラ砂漠の一部(アイン・セフラ)が37年ぶりに降雪したことが話題になっている。乾燥しきったサハラ砂漠の降雪はありそうにないが、実は地中海に近いサハラ砂漠の北部は降雪は珍しくない。2005年、2012年に降雪が観測され衛星画像にも記録されている。局地から寒気を運ぶジェット気流が地中海上空で南下しアフリカ北部沿岸をかすめるためである。

計測誤差(や任意性)を考慮すれば温室効果ガスの効果を一つのパラメーター(地球の平均気温)と関連づけることにはあまり意味がないと思われるが、ここでは赤道直下の海面温度について考察し2016年の異常気候の理解を深めたい。

 

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Source: bobtisdale.wordpress.com

 

上図に示されるNino3.4水域(赤道直下太平洋中心部)での海表面温度(Sea Surface Temperature、SST)が2015-2016年平均で過去の変動から低温に外れが大きいことがわかる。

NOAAはエルニーニョ現象を評価するために赤道直下の太平洋を分割して定義している。ここでのエルニーニョ・エルニーナ現象の定義はそれらの一つNino3.4水域での実測のSSTの3カ月平均が5回連続して、基準値から-0.5C以上外れた場合である。

 

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Credit: NOAA

 

海表面温度SSTの重要性

過去12カ月分の赤道直下のSSTは4つの領域ごとに公開されている。実測のSSTデータと赤外線探査衛星から得られるSSTデータをもとに海水温度と大気・海洋間の熱交換が評価される。

最近の論文(D.H. Douglas et al., Phys. Lett. A (2015))によると、1990−2014年のSST3.4データを調べた結果、SST3.4にはほぼ1年周期の太陽活動周期とより長周期(203年)のエルニーニョ・エルニーナ現象周期成分が含まれている。また1940-2014年の間の0-700m、0-2000mの海水の平均温度も調べられ、エルニーニョ・エルニーナ現象が2カ月遅れで海洋温度に反映されることも明らかになった。この論文の著者は海水温度の変動は1年周期に2-3年周期のエルニーニョ・エルニーナ変動成分が重なるが、どちらも太陽活動に起因しているとしている。

精密な気候変動の評価と議論には地球モデルに太陽活動の周期的な変化にエルニーニョ・エルニーナ現象を含めたSSTの変動を取り込む必要がある。ジェット気流の影響と2016年の大規模なエルニーニョ現象を考慮すると今回のサハラ砂漠の降雪は少なくともミニ氷河期が早まったためではないと思われる。

太陽活動がSSTとエルニーニョ・エルニーナ現象を介して異常気象や長周期の寒冷化をもたらしている構図は気候変動(地球温暖化)に不都合な真実である。それでも税金(CarbonTax)を徴収するなら精密な地球モデルの構築やSST観測網の充実に使ってはどうか。

 

 

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