世界最大の赤外線反射望遠鏡スーパーハッブル

 

ハッブル宇宙望遠鏡は世界最大の口径を持つ光学式宇宙望遠鏡である。ハッブル宇宙望遠鏡によって宇宙の創世記に関する数多くの新しい知見がこれまでに得られている。後継機となる"The James Webb Space Telescope (JWST)"はNASAのゴダード宇宙飛行センターで完成に近づきつつある。打ち上げられれば135億光年以前までの宇宙の観測が可能で宇宙の果ての新しい知見を人類にもたらす。

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Credit: NASA

新型宇宙望遠鏡(通称スーパーハッブル)は以前のものに比べて100倍性能が向上した。本体はほぼ完成し宇宙空間の環境で性能が発揮できるかどうかの試験と調整が行われており、2018年に打ち上げが予定されている。ハッブル望遠鏡との違いは前者が可視光で地球を周回する軌道に打ち上げられたのに対して、スーパーハッブル望遠鏡は地球から150万km離れて地球の影で太陽光が遮断されるラグランジュ点(L2)に位置し、低温下で赤外線検出器を冷却して赤外領域の観測を行う点である。

なぜ赤外線なのかはビッグバン後2億年後に輝きだしたファーストスターが赤外領域に向けてドップラーシフトすることにある。しかし背景には最後に触れたように、赤外吸収でCO2や水分子の探索で地球外生命体の探索や移住に適した惑星探査などの(一般受けして予算を獲得しやすい)ミッションがあると考える人も多い。

18個に分割された6角形の鏡が組み合わされたスーパーハッブル望遠鏡はゴダード宇宙飛行センターにある世界最大級のクリーンルームで組み立てられた。鏡は金属ベリリウム製で赤外領域の反射率を高めるために表面に金を蒸着してある。

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Credit: NASA

望遠鏡の製作にNASA(注1)は20年を費やしたがようやく2018年に打ち上げの予定が決まった。望遠鏡は打ち上げ後に地球から150万km離れたL2と呼ばれる地点に達し、ビッグバンから200万年後の135億年以前の彼方まで観測できる。

(注1)元々はNASAの計画であったが資金不足でESA(欧州宇宙局)との共同運用となる。英国のメデイアはスーパーハッブルを英国の計画だと報じるところもある。

 

スーパーハッッブル望遠鏡によって10億年にわたって銀河系の形成される過程を解明する手がかりが得られると期待されている。望遠鏡は太陽風を背にすることによって太陽風の影響を受けずに高精度の観測が可能となった。

また太陽系の外側にある惑星に生命活動の兆候が見られるかを探る試みも注目を集めている。生命活動に必須のCO2や水分子は赤外域に強い吸収帯を持つため、赤外線反射望遠鏡であるスーパーハッブルにより、太陽系の外側に地球型惑星と生命活動の兆候を見つけることも重要な役割である。

 

技術的には多角形の鏡を打ち上げ後に展開し150万km離れたL2地点に運ぶことと酷寒(-220C)で本体が長期にわたって機能できることである。赤外検出器はHgCdTeピクセル検出器である。この検出器ではHg/Cd比を帰ることにより測定波長領域をシフトできる。下に示す写真は0.6-5μmの近赤外用の検出器でテレダインイメージセンサー社の製品H2RG、これより波長の長い5-28μm(Mid-infrared)の検出器は軍事産業のレイセアオン社のものである。ピクセル数はそれぞれ約400万個、100万個である。

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Credit: JWST

シリコン・ピクセル検出器は広く使われているがこの赤外検出器も読み出し部分はこのシステムを使う。構造は以下に示すように上部のHgCdTe半導体層からインジウムコンタクトで電荷を読み出すもの。

 

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Credit: JWST 

 

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