空飛ぶ円盤のようなLDSD

 NASAが計画しているLDSD(Low-Density Supersonic Decelerator)はまるで空飛ぶ円盤のようだが、UFOではない。NASAが大気圏を有する惑星に着陸する際に大気抵抗で減速するための飛翔体である。

 この円盤の目的が地球以外の惑星(最も近いのは火星)への調査とそれに続く人類の移住計画のためだとしたら、驚くかもしれない。しかし各国で火星移住のための研究開発が実施に向けて活発化している。

LDSDs Rocket-powered Test Vehicle PIA18017

 

 機体は円盤状で外部のドーナッツ状の気球に囲まれるデザインとなっている。LDSDの当初の目標は火星の大気での減速にある。NASAを始め惑星間移動に挑戦する計画がすすめられている中で、このモジュールは地球より遥かに薄い大気の抗力で減速機構の確立を目指す。

 設計はジェット推進研究所が行なっており円盤の直径は4.7mである。すでにハワイの海軍基地から2014年に実験機がヘリウム気球で37,000mの高度に運ばれ、切り離された。その後、主ロケットが点火されマッハ4でさらに55,000mまで上昇した。

 次にマッハ3.8まで減速した後に直径6mのSIAD-Rと呼ばれる減速用のドーナッツ型風船が膨らんで機体表面積が増大し大気の抵抗で減速を行なう。これによりマッハ2.5まで減速した後にSSDSと呼ぶパラシュートが開いてさらに減速する。2014年の実験ではSSDSが破損した。2015年には2回の実験が予定されている。ここではSIADも直径8mに拡大され減速効率を上げる。

 火星移住計画を手がける企業まで設立されいよいよ人類が地球外に新天地を求める時代に突入した。火星の大気の薄さや気温など地球の大気や気候と比較して住みにくいことは事実であるが、地中の氷河の発見で水資源の存在が確認された今では、絶対住めない惑星ではなくなった。

 水資源があれば酸素はつくれる。移住はさておくとしても火星に着陸する宇宙船のための基礎技術がLDSDなのである。

 

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