メガフロートとGREEN FLOAT

 海岸沿いを飛ぶ成田発の飛行機に乗ると日本を横断のパノラマを楽しめるが、関東平野を例外として有効に利用できる平野部の少なさに驚く。平野部の少ない日本では海岸線を土砂で埋め立てて、土地活用する試みが活発に行われて来たが、諫早湾の例のように環境汚染の観点で、人口埋め立て地に限界が見えて来た。

 

 

1044 01

 

 

 写真の上五島国家石油備蓄基地はメガフロートを使用した世界初の洋上タンク式石油備蓄基地で、日本の石油需要7日分に相当する440万klの原油を貯蔵している。

 メガフロートは直方体形状の浮体ブロックを量産して、それらをつなぎ合わせて大型化したのち、係留する人工島である。係留に先立って目的地まで曳航されるので、厳密には島でなく浮体である。大量の低濃度汚染水を貯蔵できるメガフロートが福島第一原発まで曳航され、洋上の汚水貯蔵タンクとして設置された。このメガフロートは長さ136m、幅46m、高さ3mの鋼製の浮体構造物で、内部には約1万8000m3の空洞があり、1万トンの汚染水を蓄えられる。

 メガフロートは東電管轄となり福島第一発電所沖に運ばれてタービン建屋地下の汚染水を8,000m3貯蔵した(H24.10)。放射性物質(主にCs134、Cs137)の濃度は0.1Bq/cm3程度である。)なおメガフロートの貯蔵能力は検証され廃炉に向けた今後の作業にも使われることになった。

 

 当初、このメガフロートは、静岡県が海釣り公園として所管していたが、当初は造船会社や鉄鋼会社などが共同で設立したメガフロート技術研究組合が1999年、羽田空港D滑走路への採用を目指して神奈川県横須賀市沖での実証実験のために建造したものである。実験では、水深20mの海面に長さ1km、幅60〜120mの滑走路を浮かべて実際に航空機を離発着させて検証実験を行った。


 メガフロートは代替え飛行場として実用化できることがわかり羽田空港D滑走路に提案された後に、国内にある米軍基地を洋上のメガフロートに置き換える計画も提案されている。国内の土地活用が限界に達してもメガフロートで土地を増やせるとなれば、居住地としても使えるのではないかというのは自然な発想だろう。またデンマークでは洋上風力発電用にメガフロートを利用する計画である。

 

 

Green Float
 海上都市計画は国内外でさかんに研究開発が進められており、清水建設のGREEN FLOAT計画が話題になっている。キリバス共和国は赤道付近の太平洋上にある珊瑚礁を領土としているが、海面上昇(注)の危機により、埋没を防ぐためにGREEN FLOATに未来を託した。キリバス共和国に清水建設はGREEN FLOAT計画を提案している(資料:清水建設)。

 

gre img013

 

 GREEN FLOATでは海上に浮かせた高さ1000mのタワーに3万人が居住する海上都市となる。赤道直下の1000m上空は温度が安定し、年間を通じて温度が26-28度と居住に適するばかりか、植物にとってもふんだんな日射と相まって、人間が生活するための食糧自給も容易と考えられる。太陽電池をエネルギー源とすればクリーンエネルギーで豊かな生活を送る事ができるのだ。

 

gre img002

 

 富裕層のみが対象なら世界中に海上都市提案はいくらでもある。しかしGREEN FLOATは3万人規模の最小単位を増やして、100万人規模の都市を海上に実現できるので、現実的に陸を捨てて海上に移住することが可能である。火星への移住計画も検討され始めているが、未知の世界である大洋への移住はより現実的かもしれない。

 

You have no rights to post comments

Copyright© 2013.   放射線ホライゾン rad-horizon.net   All Rights Reserved.