Wi-Fiユビキタスのインパクト

 デスクトップPCが終焉を迎えモバイルPCがスマホやタブレットに姿を変えた。デスクトップPCは仕事と割り切り、若い世代は動画やイメージ、オンラインゲームなどの膨大なデータをスマホとタブレットに託す。イメージや動画データの利用に伴ってキャリアが設定するパケット通信料金が重くのしかかり、生活費の中で相当な負担になっている。

 

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 ふと気がつくと麻薬やタバコのようにデータ通信中毒にかかり若年齢の生活スタイルそのものを変えてしまった。データ通信量の要求は増大する一方で携帯キャリアが提供する高速通信(LTE)でも追いつけない状況になってきている。スマホを持つ人が集まる駅近くに迷い込むと、スマホの通信速度が低下する。一番スマホで時間つぶしをしたい場所で通信速度が低下するという皮肉な結果となっているのである。

 携帯各社が提供するLTEの「4G」は厳密には「3.9G」で、その理論的の最大速度は下り326Mbps、上り86Mbpsである。一方でキャリアの「公称」通信速度は下り75Mbps、上り25Mbpsで控えめな設定だ。本当にそうだろうか。実は実測すればキャリアと場所、混み具合に大きく依存しているし、それは公称値よりずっと低いのが現実だ。

 

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 一方、キャリアと契約のいらないWi-Fiでネットに接続することができる。Steve JobsがiPod touchを紹介した際に"iphone without phone"といったが、iPod touchのWi-Fi機能を使えば、無料でスマホ機能(高速通信)が使える。無料で使えるWi-FiホットスポットはStarbucksやSoftbankを代表として全国的に増えて来ている。例えば東京駅周辺には前者は6軒、後者のスポットが8カ所あり、足を運べば接続できる。しかしこういう場所でもやはり期待に答える通信速度が安定に供給されるわけではない。

 同様の事情を抱えるオーストラリアでは国内最大の通信会社、テルストラ(Telstra)が使われなくなった公衆電話を改造して、全国200万基のWi-Fiホットスポットネットワークを構築することになった。

 この動きはオーストラリアに限ったものではなく、米国でもニューヨーク州は公衆電話機をLinkNYCと呼ぶ無料Wi-Fiスポットに改装する。

 現在の無料Wi-Fiスポットでは例えばStarbucks で通実測すると下り12.44Mbpsと〜10Mbpsである。LinkNYCではその100倍にあたる1Gbps(注)という4Gの限界値を越える。

(注)1Gbpsを実測で満足するのは容易ではない。光回線では一般に100Mbps、一部は1Gbpsといわれているが、地域、混雑度によっては2桁もダウンすることもある。ただし高画質動画でも50Mbps以上有れば十分である。

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 キャリアの4G接続速度は、機種や携帯各社で異なり、20-35Mbpsというのが実情だ。しかもそれが混雑度でさらに低下する。しかし高速になればなるでパケットが増えキャリアの請求額が増えるから通信コスト自身の値下げと高速化が同時に実現されなければ負担増のみに終わる。そう考えると携帯キャリアにデータ通信をまかせることに無理があるのではないだろうか。データ通信が無料であればWi-Fi無料スポットにスマホユーザーは流れる。Wi-Fiの公共事業化はキャリアの存在を揺るがすかも知れないのだ。

 ちなみにLinkNYCの場合はコンテンツへのアクセスへの広告収入で賄われる受益者負担となる。もし仮に無料Wi-Fiスポットを公共施設とみて、地方税で整備したら、音声電話もIPやSkype、Facetimeで置き換えられるので携帯キャリアと契約する理由がなくなるのだ。

 無料Wi-Fiスポットの整備はユビキタスへの第一歩であろう。インターネットは無料(注)である限り、携帯キャリアからの多額な請求書を怖がる必要は無い。そもそも公共Wi-Fiスポットが整備された時点で、携帯キャリアが存在しているかすら疑問である。

(注)インターネット使用料金を税金化しようとするハンガリー政府の試みは市民の反対で失敗に終わった。しかし財政難を抱える国々では「とれるところからとる」という理不尽な課税がいつ始るのかわからない。

 

 

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