買い取り可能な地熱発電とは

 電力会社が太陽光など再生可能エネルギーを一定価格で買い取る「固定価格買い取り制度」を巡って、九州電力など電力5社が新規受け入れを停止した問題が波紋を呼んでいる。個人や事業者が太陽光などを使って発電した電気を電力会社が買い取ってくれるなければ成り立たない。

 

 最近のマンションでは屋上に大型体操電池パネルを設置して電力料金の実質値下げを看板にしている場合が多い。例えば固定価格買取制度によって、20年間38.88円/kWh(税込)で電力会社へ売電し、オール電化で光熱費の約43%を削減可能、とするマンションの広告は一気に色あせる。

 不可思議なのは政府が固定価格買い取り制度を見直し、安くて安定した発電が見込める地熱発電からの電気を優先的に購入させる方針を固めた点である。電力会社が新規受け入れを停止した理由は送電網が容量を超えて危険となったことであったはずだ。そうであれば太陽電池はダメで地熱発電は可とする根拠はなさそうに思える。

 

Geothermal energy methods copy

 太陽電池に比べて伸び率が低い地熱発電にシフトしたいので行政指導した、ということなのだろうか。地熱発電とはどのようなものなのか。地熱発電は、地熱によって加熱してつくられた水蒸気でタービンを回し発電機を動かして電力を得る。熱源に地熱を使うこと意外は火力発電や原子力発電と同じであるが、太陽エネルギーの恩恵を受けない、地球の自給自足型といえる。

 さらに太陽光や風力発電と異なり、天候、季節、昼夜によらず安定した発電量が得られることが特徴である。世界の活火山の7%を占めるといわれる日本のような火山国では資源に恵まれているといわれる。水蒸気に含まれる熱水の含有率に依存して、熱水を分離して減圧し水蒸気にする場合もある。温度によってはBWRのように熱交換器と別溶媒を使う場合も有る。また温泉の温度が高い場合には、温泉水を適温にする過程でタービンを回すこともできるので、温泉業務と共存も有りえる。

 日本は温泉の多さ群を抜いているが、温泉資源と熱源を共有するので、温泉地域の探査や開発は地元住民の反対が予想される場合が多い。しかし寂れる一方の温泉宿はまぎれも無い事実だし、客の来ない温泉宿が熱源を独占するのも得策ではない。熱源を発電に開放し、開発と引き換えにリハビリ施設やリゾートをつくって地域の活性化をはかるのもよいのではないだろうか。

 その他にも地下に高温の岩体が存在する箇所を水圧破砕し、水を送り込んで蒸気を得てタービンを回す高温岩体発電もオーストラリアで75MW規模の建設が始っている。再生可能エネルギーの変動部分を補う安定発電には有力な方式であることは間違いない。ただ資源調査と建設コストが高いデメリットで足踏み状態にあるが、地熱なら買い取り可となれば風向きが変わるだろうが、現時点では何よりもまず、再生可能エネルギーを受け止める送電網を確立しなければならないだろう。下の写真は日本と同じ火山国ニュージーランドの地熱発電所である。

 

100 MW Geothermal Power Plant at Kawerau NZ

 

You have no rights to post comments

Login

スポンサーサイト

Copyright© 2013.   放射線ホライゾン rad-horizon.net   All Rights Reserved.