固定価格買い取り制度の中止の波紋

 電力会社が太陽光など再生可能エネルギーを一定価格で買い取る「固定価格買い取り制度」(注)を巡って、九州電力など電力5社が新規受け入れを停止した問題が波紋を呼んでいる。そもそも再生可能エネルギーの普及を目指して、再生可能エネルギー固定価格買取制度を設けたわけで、個人や事業者が太陽光などを使って発電した電気を電力会社が買い取ってくれるなければ成り立たない。電力会社が送電網の安全という名目で買い取りを中止したことにより、軌道に乗り始めた再生可能エネルギーへの転換に支障がでる恐れが出て来た。

 

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(注)固定価格買い取り制度は22年原発全廃を目標とするドイツが、本格的に導入した。ドイツは徹底した官民の連携によって再生可能エネルギーの普及とコストの引き下げに成功した。電力需要に対する再生可能エネルギーシェアを2007年には14%まで増大させた。もともと原発発電シェアは23%であったので、このままいけば22年までの段階的廃止までに置き換えも視野に入った。

 しかしこのシステムでは普及が拡大してエネルギーの生産コスト(設備価格や運転費)が技術開発に従って低減するのに合わせて、後期に導入した事業者ほど助成額は減らされる。ポイントはしかしこの助成に必要な費用が、電気料金に上乗せされて全ての電力消費者から電力の利用量に応じて徴収されることだ。

 ドイツの例では電気料金が2倍に膨れ上がって家計を圧迫している。また初期投資と再保険などの政府の支出が増大し財政を圧迫することで、同じく再生可能エネルギー路線をとったスペインの財政破綻の一因にもなっている。さらに発電量が増大すると送電網の見直しや蓄電システム整備など付帯設備の経費が加わる。結果的には再生可能エネルギー政策で電気料金は上がり、国民の負担は増大することになる。これが全ての原因ではないにしてもEU圏で一人勝ちして来たドイツはGDPがマイナス成長になる見込みである。

 こうして現実の数値は再生可能エネルギーへの転換は高くつくといえるが、クリーンで安全なエネルギーに依存することの代償ともいえる。

 現実問題としてしかし現状で過去安定な送電で定評のあった送電網の限界に達しているのであれば、逆にいえば原発を充分置き換えられる発電量に達したということである。電力業者は数値を公表して説得力ある根拠を示すのが先決ではないだろうか。こうしてみると大口の電力使用者を除き、できるだけ個人が発電しまた消費する時給自活するオフグリッド生活がよさそうである。

RE Germany 2009 pie chart

 当然、電力会社の利益は減るだろうが、家庭への送電網は必要すらなくなる。10KW発電に必要な太陽電池パネルは250Wが40枚〜15坪であり、住宅購入時に補助金というのが現実的であるが、幸い、電力会社と契約解除は自由にできる。

 

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