巨大台風との情報戦

 日本に接近する台風は近年、大型化の傾向にあるようだ。厳密には風速15km/h以上の暴風雨圏が半径800km以上のものを超大型台風と定義する。台風の強さは最大風速で区別される。その中で「猛烈な」と表現されるのは54m/s以上のものに限られる。気象予報では「大型で」という規模と「強い」などの強風の表現を組み合わせる。まえもって独特な表現の中身を知っておく必要がある。宇宙からみた台風は下の写真のように美しいものであるが、ひとたび牙を剥けば尋常でない被害をもたらす。情報戦によってこの敵を良く知ることこそ、切り抜ける第一歩である。台風情報に最近、変化がみられる。

 

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 2013年の台風26号は「10年に1度の」といわれた規模で、都心部の道路が冠水するなど、都市機能をマヒさせた。2012年までの台風発生数が2013年から増大する傾向がみられるが、地球温暖化と台風の関係については断定はできない。一般的には核となる熱帯低気圧の出現数は、地球温暖化に伴って増加する傾向がある。また大雨の発生数が長期的に増加傾向にあるのは、地球温暖化が影響している可能性が高いとされる。

 誰でも台風が近づくと毎年のように、考えつく限りの対策をしてからは、TVの周りにあつまり情報をみながらやり過ごすことになる。しかし現在は台風情報も高度化しネットの情報が頼りになる。例えば「デジタル台風」というサイトには気象庁と米軍気象情報局の最新情報を提供する。針路や規模の先端技術を駆使したリアルタイム情報は有用であるのでここで紹介する。

 本コラムにリンクされている「デジタル台風」は気象長情報と米軍情報(Joint Typhoon Warning Center, JTWC)が参照できる。かつてない規模の巨大さが強調されている台風18号について調べてみる。米軍情報サイトのトップ画面メニューはそれぞれの台風に関して、

①TC Warning text

②TC Warning graphics,

③Prognostic Reasoning

④JMV 3.0 Data

⑤Google Earth Graphic Display

⑥IR Satellite Imagery

⑦Satellite Fix Bulletinなどの項目がある。

 台風18号はTropical Storm 18W (Nineteen) Warning #02と表記されている。まず①は台風の規模と針路予測の最新情報テキスト、②は針路予想プロット、③は最近6時間以内の発達と被害状況のまとめたテキスト、④は位置、⑤は針路をGoogle Earthに重ねて表示するためのオーバーレイ情報、⑥は赤外線を含む分光衛星写真、⑦は衛星情報である。この中で便利なのは②の針路予想プロット、陸地では沿岸部、漁船など外洋では特に有用な⑤、雲の分布が一目でわかる⑥である。下の写真は②と⑥。

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 よく比較される気象庁データをみてみよう。台風18号の針路が中心で米軍情報ではその後に続く19号にはふれられていない。今後の予測でどちらが精度がよいのか比較してみたい。注意したいのは時刻表示が気象庁データはJST(Janpan Standard Time)、米軍情報はUTC(Universal Time Coordinates)というGMTとほぼ等しい標準時表示である事だが、6時間ごとにアップされる衛星と海洋データはより細かい時間スケール(3時間、最高1時間)の気象庁データ更新と両用すれば、充分な情報量だろう。どちらが精度が高いかではなく海洋データと衛星データに特徴のある米軍情報ときめ細かい情報の気象庁情報は相補的とみるべきである。下が気象庁の情報。

 

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フォローアップ2014.10.5 13:42

 現在の気象庁針路情報は以下の通りである。

 

310261-WID

 


 針路は気象庁も米軍情報も本土から遠いものとなり、台風の上陸もあり得る。今後の動きに注意したい。精度は双方ともあと一歩のところであった。

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