「官から民」で加速する宇宙旅行

 つい最近まで宇宙ビジネスといえば民間会社が擬似的な宇宙空間の数分の飛行体験を提供する富裕層向けのアドベンチャー企画と思われがちであった。擬似的といったのは100km以上の宇宙空間でなく、成層圏との境界を滑空することと時間的に数分の飛行だからである。バージングループを率いるリチャードブランソンは、バージンギャラクテイクという会社を立ち上げ、6分間の無重力の擬似大気圏外旅行を25万ドルで提供する。希望者は 100kmをわずかに超える高さまで到達し、窓から見える地球を背景に無重力飛行を楽しんだのちに滑空して戻ってくる。宇宙船「スペースシップ」は母船「ホワイトナイト」に よって成層圏に運ばれ、ロケットエンジンで成層圏と宇宙の境界(100km)に達する。すでに最初の便は予約で一杯なので、少なくとも当初の経営は成り立ちそうだ。

 

 

dragon.iss

 

 しかし同時に本格的な宇宙船と打ち上げロケットは「官から民」の方向で動き始めていて、NASAが委託する会社が複数存在し競争が激しくなって来た。代表的な企業としてはスペースX社がある。同社は商業軌道輸送サービスという、ロケット輸送で衛星打ち上げと宇宙ステーションなどへの輸送業務を目指している。「ドラゴン宇宙船」(上の写真)で完全な宇宙空間旅行が可能になるが、すでにISSへの輸送業務に関してNASAと 契約を交わしている。「ドラゴン宇宙船」は、円錐型の与圧カプセル(ISSまでの約3tの重量の輸送が可能)とその後部に接続される円柱状の非与圧胴体から成る。

 

 この他にも良く似た形状のNASAがロッキードマーテイン社に製作を依頼している「オリオン宇宙船」がある。月着陸を目的に開発されていたが予算が打ち切られた後、火星を想定した惑星感飛行を目標に計画が切り替わっている。NASAは目的によって異なる宇宙船をそれぞれ別の民間企業に製作させている(下の写真)。国から民間にお金が流れるしくみをつくるのがうまい米国ならではのことである。

 

CCDev2 Competitors

 

最新情報ではISSへの運行をNASAはスペースX社とボーイング社宇宙部門に委託した模様である。

この他に民間の宇宙飛行を提供する企業として、以下がある。

・アルマジロエアロスペース 月着陸船の開発
・ビゲローエアロスペース 宇宙ステーション製造
・ブルーオリジン 宇宙輸送会社
・オービタルサイエンスコーポレーション NASA代行商業輸送サービス
・スペースアドベンチャー 宇宙旅行会社
・シェラネバダ 小型スペースシャトル製造

 資金があれば個人でも宇宙船に乗れたり、宇宙船のオーナーになれる時代になった。官から民への転換が成功しているようだ。筆者には関心の深い放射光も将来はこういうようになるのではないかとふと思った。

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