フッ素ドープでBNが磁性半導体に

ライス大学の研究グループは少量のフッ素ドープにより2D絶縁体であるBNがワイドギャップ磁性半導体に変化することを見出した。磁性半導体としても磁性メモリなどの新しい応用が期待されている(Science Advances 3; e1700842 (2017))。

 

Fドーピングで磁性半導体

研究グループは白グラフェンとして知られる六方最密充填構造のBN(h-BN)のバンドギャップを小さくして半導体化する研究を行っていたが、磁性半導体となることは予想していなかった。h-BNは安定な絶縁体でワイドギャプであるため可視光吸収のない透明な保護層として広く用いられている。

フッ素ドープによって欠陥が生成すればバンドギャップが低下する原理で半導体化を試みた結果、バンドギャップは5%低下。ドーピングを続けるとさらに低下して飽和する。フッ素原子の導入による歪で窒素原子のスピン配列が変化したと考えられる。下図A、BはDFT計算によるバンドギャップと全エネルギー、C、DはIVカーブ(実験)と磁気輸送(実験)を示す。

 

e1700842.full

Credit: Science Advances

 

2D構造中に強磁性的ポケットと反強磁性ポケットがランダムに存在する磁気的フラストレーション物質へと変化したのである。上図E、FはDFT計算によるバンド構造、GはバンドギャップのFドーパント依存性である。

なおこの試料が薄膜であるためFドーパントの定量性や局所構造などは未知である。放射光を使った実験が望まれる。なおグラフェンへのアルカリ金属ドーピングでは2D面内に電子、正孔ポケットがランダムに出現する。ランダムサイトの作る新しい不均一電子状態に注目が集まっている。

 

You have no rights to post comments

Login

スポンサーサイト

Copyright© 2013.   放射線ホライゾン rad-horizon.net   All Rights Reserved.