新素材セラミック・ナノファイバースポンジが開発される

超軽量のナノポーラス材料は通常は存在形態が炭素高分子、金属が一般的な広範囲の元素で、新たなナノ材料として応用されるようになってきた。しかし軽量でも高温で機械的強度を持たせることが難しかったが、ブラウン大学の研究グループは高温でも強度を失わない超軽量のセラミックを用いたナノファイバースポンジが開発した(Science Advances 3,6,e1603170 (2017))。

 

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Credit: Science Advances

 

TiO2、ZrO2、イットリアで強化したZrO2、BaTiO3などのナノファイバー材料を特殊な加工することでこれらのナノファイバー・スポンジ(注1)の機械的強度を持たせることができるようになった。TiO2ナノスポンジでは歪みエネルギーを吸収しても破壊せずに元に戻ることができる。室温と400度において20%歪みエネルギー吸収に耐えられる。例えば10%歪みを10回加えられた後、800度で〜1%に回復する。

(注1)スポンジは外部から加えられた歪みで容易に変形するが、応力がなくなると元に戻る。

 

セラミックはもろいことは誰でも知っている。それは衝撃による割れ目が全体に走ることで破壊が起きるからである。しかしナノスケールの世界では割れ目が小さいための、それが走り拡大するためのエネルギー障壁が大きくて超えられないことで、破壊箇所が拡大できないからである。ナノファイバーではそのため粒界に沿って原子拡散でクリープ状態(注2)になって破壊を避けることができる。

(注2)応力を受けた時に破壊せずに時間とともに歪みが増大しながら変形する現象。クリープ変形による破壊は低温・短寿命では粒内破壊が目立ち、高温・長寿命では粒界破壊となる。

 

ナノファイバー化することでセラミック材料は軽量で高温に耐える一方で、歪みで変形することで可塑性を有するユニークな材料となる。しかしマクロスケールの機械的性質がもろいセラミックにはエレクトロスピニングな一般的なファイバー化の製造技術が使えない。そこで研究グループは溶液ブロースピニング法(注3)を用い、この方法に経験のある中国の研究グループと共同でナノファイバー化に成功した。

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Credit: pubs.rsc.org

 

(注3)セラミック原料を溶かした溶液を空気で押し出して針先から放出し、回転する基板上に固化させる方法。

セラミック・ナノスポンジの特徴は断熱性に優れていることで、高性能断熱素材としての応用が期待されている。またナノスポンジのポーラス特性を利用して水フイルターへの応用も考えられている。海水の炭水化や放射性物質の濾過絵の応用も考えられる。また別の研究では非線形光学物質としての有望な候補であることを強調している。

 

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Credit: researchgate

ナノスポンジに放射性汚染物質を吸着したあとで、全体を圧縮した状態で保存すれば良いので、この材料のフイルターとしての応用は期待できるのではないだろうか。身の回りにある物質をナノ加工で別の機能を創生することを可能にするナノテクノロジーは古い湿式化学で最先端材料の製造方法として注目されている。

 

 

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