極地の海氷面積を地球温暖化と関連づける危うさ

地球全体の海氷面積(南極と北極の海氷面積の合計)の1年間の変化を示したグラフ(以下)を根拠に、2016年(図中の赤線)の値が重ね合わされた例年の季節変化の変動範囲(グレーの背景)を逸脱していることを根拠に、地球全体の海氷が減少傾向を強めている証拠とする記事が話題を呼んでいる。

 

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Source: Arctic Sea Ice blog

 

北極の海氷の減少により北極クマが絶滅するというイメージは地球温暖化説の広告塔として広まっているが、実は北極と南極の氷床の増減は非常に複雑で、お大まかにいうと、地球温暖化説を主張する人々が主張するように、北極の氷床は減少傾向にある。

しかし南極の氷床が増大していることも衛星データで検証されており、さらに詳しくいうと南極の陸地の氷床は増大しているが海氷は北極同様に減少傾向にある。極地の陸地と周辺海域の表彰の変化はこのように複雑で、簡単に時系列の増減を結論することは困難である。

 

さて上の図をもう一度眺めてみると、赤線で示す2016年のデータが例年の変動の下限に位置することは容易にわかる。1月から9月までの時間変化は2016年が例年のデータの下限を更新する勢いで、変動領域の下限の外に位置するが変動の幅に収まるかはみ出すかギリギリの数値とみるべきだろう。

すなわち1月から9月までの数値の変動は過去の平均の際下限程度のもの、というべきだと(少なくとも筆者は)考える。一方9月行こう12月までの変動は下限を超えて逸脱が甚だしい。これも(データが信頼できるとして)正しい。しかし逸脱の傾向が強まったのは9月以降のデータのみで、9-12月の4カ月に大きい減少が起きていること、さらにその減少が11月に現れるはずのピークを消すほど大きい。

 

言い換えると9月からの減少増加は11月に負のピークとなる時間依存成分の存在を示唆していて、全体の変動が例年の下限に近い2016年の事象とは別に議論されなければならない。このグラフ一枚が地球温暖化説の根拠になり得ると少なくとも筆者は考えていない。

2016年のエルニーニョ現象のピークは11月でその影響は2017年にも続く。その暖流の影響を詳細に考慮しなければ、極地周辺の海氷の増減をもって地球の表面気温の平均と結びつけることはできない。1枚のグラフで結論しようとする態度に強引に地球温暖化に結びつけようとする作為を感じる。地球温暖化が現代社会のドグマとなって一部の科学者の推論に影響を与えているなら問題である。

 

 

 

 

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