<自然科学論文数>日本4位に転落 中、独に抜かれる

2013~15年の3年間に日本の大学などが出版した自然科学系の論文数が、世界4位に転落したことが文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査で分かった。05年までは米国に次ぐ2位だったが、中国、ドイツに追い抜かれた。日本は自然科学分野でのノーベル賞受賞が相次ぐ一方で、大学での基礎研究態勢の立て直しが急務となっていることを裏付けた。

毎日新聞

コメント一覧

 

コラム編集者より

この記事の詳細はリンクを参照にしていただくことにして、この記事コメント一覧にも注目してください。どれも真実で現場の声を代弁していると思いますが、読者の皆様はいかがでしょうか。役所の人も、研究者も、学生も、そして一般の方にも一読して欲しいと思います。

 

論文の著者の全員の国別統計を取らないと現在は、どの国の、どの研究機関に研究成果が帰属するかファーストオーサーだけで判断できにくくなっています。特に先進国と言われる国の論文の主要メンバーがアジア系の研究者であることが多くなったので、論文数ランキングを作成する側にも考慮の余地があります。誰かがIFの重み付けをしたらと言いましたが、IFに問題が多いことはよく知られています。論文の共著者のエフォート率を公表する論文もありますが、論文がどの国の、そしてどの研究機関に所属するのかについては何も基準がありません。知的財産としてはエフォート率に比例して資産価値も分け合うべきなのか、それともファーストオーサーなのか、プロジェクトマネージャーなのか難しい問題です。ちなみに日本では所属機関の(形式的な)掛け持ちが多く、プロジェクトに帰属する論文は、プロジェクトが消えると所属機関が消滅しますので、脚注くらいが適当なのではないでしょうか。

 

中国の論文数が質・量ともに成長著しいのは、(筆者の印象では)研究をする以前に「どの雑誌に掲載されるべきか、されたいのか」を考えて、最短距離・最速で望むからでしょう。また彼らの英語力は留学が一部、強制なこともあって上達度には舌を巻くものがあります。筆者が客員を務める中国の大学の正教授は2年間の国外留学が義務、就任条件、となっています。

コメントの一つの企業の研究開発費は安泰というのは大いに疑問ですね。財政難は国内全般の一般的な問題です。ニューズウイーク日本版によると(筆者は否定しますが)日本の先進国からの脱落は目前だと言います。反面教師的な日本を応援する記事ととりたいところです。中国が後進国分類であるならば、先進国・後進国(発展途上国)という区別も意味があるとは思えないですし、全ての先進国に陰りが見えて来ただけなのではないでしょうか。

 

他の先進国は順調かと言えば、とんでもないです。日本より上位の国々はそれぞれ日本よりはるかに深刻な国内問題を抱えています。ニューズウイークの記事を書いた人は日本を英国に例えますが、問題があるからEU離脱を英国民は選んだのです。先進国の崩壊の中にあってアジアで先進国に一番乗りした国にも同様の問題が現れただけだと思います。韓国も日本を追いましたが、現状は燦々たるものですね。中国はさらにその後を追いました。この国もすでに高齢化が始まりました。将来は「いつか来た道」を歩むことになります。そのあとはインドが続きそうですね。

法人化のあと悪夢をみた大学、国立研究機関の研究者は多いと思います。この機会にどのような力学が背景にあり誰が利益を得ているのかよく考えてみてください。しかし経済も社会もサイクルがあって落ちていくときは行き着く先に行かないと上には戻れません。

ドイツも日本も最盛期もどん底も経験しています。論文数で上に立つドイツですが、EU結束の政策の代償としてEU内の富の均一化が起こるでしょうから経済は苦しくなることは避けられないでしょう。数年後に日本とドイツどちらが先に3位につくのかわかりませんが、ニューズウイーク誌の記事の予測とは別のシナリオになると筆者は考えています。少なくとも人口比で4位以下にはならない、でしょうから、これからどうやって3位を取り戻すのか、2位に復活するのか、そして1位がずり落ちてもしかすると(人口比で)首位も不可能とは言い切れないと思います。論文数競争も「国別の統計」の意味が薄れると思いますが、混戦は避けられないでしょう。ちょっとした前向きな政策や組織の改変、予算体系の改善で順位は入れ替わるかもしれません。

 

ドイツのケストナーの児童文学に「点子ちゃんとアントン」というのがあって、その中に「上がったものは下がらにゃならぬ」という言葉が出て来ます。上昇するにはどん底まで下がらなければならないようです。

 

 

 

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