ムーアの法則は終わった

■「ムーアの法則は終わった」

「ムーアの法則は終わった」。NVIDIAのCEO(最高経営責任者)を務めるJensen Huang氏は、アカデミック界で長年ささやかれてきた説について、大手半導体企業として恐らく初めて言及した。

ムーアの法則は、Intelの共同設立者であるゴードン・ムーア氏が1965年に、「トランジスタの微細化は非常に速く進み、集積度は毎年倍増していく」と提唱したことから生まれた。ただし、微細化の速度は1975年に、「2年ごとに2倍になる」と変更された。

Huang氏は、台湾・台北で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2017」(2017年5月30日~6月3日)で、報道陣やアナリストに向けて、「スーパースカラーによるパイプラインの段数増加や投機的実行といったアーキテクチャの進化によって、ムーアの法則のペースは維持されてきた。だが現在は、そのペースが鈍化している」と語った。

同氏は、「マイクロプロセッサはもはや、かつてのようなレベルでの微細化は不可能だ。半導体物理学では『デナード則』をこれ以上継続することはできない」と明言した。

「MOSFETの比例縮小則」としても知られるデナード則は、Robert H. Dennard氏が1974年に共同執筆した論文に基づいて名付けられた。その概要は「MOSFETは小型化するだけで高速かつ低消費電力になる」というものだ(関連記事:NVIDIAがMOSFETの比例縮小則(デナード則)を解説(前編))。

デナード則に基づいた微細化が限界を迎え、ムーアの法則も限界に近いといわれ続ける中、半導体業界は成熟期に入った。次世代プロセスの開発に必要な数十億米ドルの投資は、ほんの一握りの半導体メーカーにしか行えなくなっている。これまでのところ、16nm/14nmノードを適用したチップを製造できている半導体メーカーは数社だけだ。微細化が進むにつれて、設計ルールの定義も曖昧になってきている。

 

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