• Last Updated : 2017/10/19.

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アーム部モーター使わず、水圧シリンダーとバネ

福島第一原子力発電所の廃炉作業の中核工程となる、燃料デブリ(溶け落ちた核燃料)の取り出しに向けたロボットの開発が歩み出した。国際廃炉研究開発機構(IRID)と日立GEニュークリア・エナジー(茨城県日立市)などは、燃料デブリ取り出し作業を想定した「筋肉ロボット」と呼ぶロボットを公開した。放射線のきわめて強い環境下でも稼働するよう工夫されており、まさにこのロボットの出来栄えこそが、今後の廃炉の行方を左右することになる。

広島市西部の丘陵地帯に中外テクノス(広島市西区)が2016年に建設した「電機システム開発センター」。福島第一原発の炉心下部を実物大で模したこの設備で、筋肉ロボットの開発が進められている。

筋肉ロボットの特徴は、アーム部に通常のロボットのようなモーターを使わないこと。代わりに水圧シリンダーとバネを備える。シリンダーは関節部に4個ずつ取り付けられており、このうちの2個が伸びるとその反対側に関節が折れ曲がる。軸数自体はアーム1本で6軸と通常と変わらないが、一つの軸がどの向きにも曲がることができる仕組みだ。

水圧機器の制御装置など、電気を使う機器はロボットから離れた所に置かれ、この間はチューブでつながれている。アーム本体には電気機器を使わないため、水中でも動かすことができる。

このロボットの特徴について、廃炉作業の指揮を執る日立GEの黒沢孝一主管技師は「つくりが単純で柔らかい構造。何かにぶつかっても壊れる可能性が低い。普通の多軸ロボットに比べて操作しやすい」と話す。

日立GEと中外テクノスは、このアームを搭載したロボットをこれまで5タイプ開発した。アーム4本を備えた移動型や、アーム1本の移動型、アーム2本と足4本を持ち、水中でも動くタイプなどだ。

現在は、デブリに見立てた固形物を電動工具で破砕してベルトコンベヤーなどで運び出したり、バルブを開閉したり鉄管を切断したりと、想定される作業をロボットでこなす実験を重ねている。

今後、実際の作業に向けては、放射線に弱いカメラをどう配置するかや、動作の精度と速度をどう高めるかなど多くの課題が見込まれる。デブリ取り出しを、冠水させてやるか空気中でやるか、横から接近するか上から接近するかという大きな方針も、今年夏に決まる。

 

日刊工業新聞電子版

 

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