HRTEMイメージングによるLiイオンの不均一インターカレーションの可視化

 

エネルギー密度で他を寄せつけないLiイオンバッテリーであるが、安全性や寿命、充電時間などの課題も残る。安全な全固体型バッテリーの研究が進められているが、未解決の課題はLiイオンの受け手であるナノ粒子へのインターカレーションの微視的構造の解明にある。

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第4世代光源の潮流と日本の放射光の未来

筆者は昨年末に第4世代光源の会議(Workshop on Coherent Light Source and Sciences)に出席した。すでにお伝えしたように(コヒレント光源とサイエンスに関するWS〜第4世代光源の新たな基準とは)会議の中心はいち早く新しい磁石配列(MBAラテイス)で、低エミッタンス第4世代光源の発端となったMAXIVとそれに続く第4世代第2号マシンとなるブラジルのSIRIUS、そしてMBAラテイス発展形でさらに高性能化をめざす第3.5世代光源、SOLEIL、Diamond、SLSである。

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宇宙X線放射と極中間圏雲を調べる極地打ち上げ観測ロケット

2018年1月15日から31日までにNASAは宇宙X線放射と極中間圏雲を調査する4基の小型観測ロケットを打ち上げる。その中の1基は地球が属する銀河内からのX線放射を調査、他の3基は極中間圏雲を人工的に作り出して成長過程の詳細なデータを収集する。 

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アンモニアが救世主となるクリーンエネルギー〜水素輸送媒体と燃料として

日本が推進する水素社会構想は現実的でないとする批判も渦巻くもののすでに他国のエネルギー政策にも影響を及ぼしている。オーストラリアが日本への水素輸出に有利な位置関係にあり、実際、オーストラリアのエネルギー輸出の1/3は日本向けである。オーストラリア政府は(日本への)水素輸出の将来性を見込んで、2,000万ドル(日本円で約24億円)を液体水素の輸出事業に支援することになった。

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ギガスケール時代に入った太陽光・熱利用発電

太陽エネルギー利用は主に太陽光パネルと集光して熱エネルギーを得る太陽熱に大別される。再生可能エネルギーの比率が高い国としてこれまでスペインやドイツが話題となることが多かった。しかし先進国の再生可能エネルギー比率が伸び悩む中で、飛躍的な展開を見せているのが中東である。中でもドバイ(UAE)は再生可能エネルギー比率を2030年までにドイツ並みの25%にするドバイ・クリーンエネルギー2050を掲げ、世界最大の太陽熱発電所を建設している。

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風力発電に関する最近の話題〜その2:北海風力発電ハブ

太陽光と並んで再生可能エネルギーの主たる担い手である風力発電は国内外で大規模な発電所が稼働を始めあるいは建設が進められている。国内でも鹿島沖に大型風力発電所が東京ガスと日立製作所が、茨城県沖合で首都圏最大級(20-30MW)となる洋上風力発電所の建設に着手し、2020年代半ばに稼働が予定されている。

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副作用を低減する放射線治療計画アルゴリズム

放射線治療における副作用とは被曝による生体効果に他ならない。ピンポイントの放射線治療や重粒子線照射など先進医療を除けば、一般の治療で使われる放射線照射では副作用(被曝)のリスクは決して低くない(無視できない)。治療を受ける患者の肉体的・精神的負担は大きいため、副作用を低減することが強く求められている。

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J-PARC 県「ビームライン」10年目 EV電池開発に成果

東海村の大強度陽子加速器施設(J-PARC)に設置された県の中性子実験装置「ビームライン」2本が、2008年12月の稼働から10年目に入った。この間、自動車関連企業によるリチウムイオン電池開発に関する利用が約半数を占めた。各メーカーがしのぎを削る電気自動車(EV)など次世代自動車の開発に欠かせない電池の構造解析を巡り、同村で静かな“競争”が進められている。


東京工業大とトヨタ、高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)のチームが16年3月、EVやハイブリッド車(HV)などへの搭載を見込む「全固体セラミックス電池」の成果を発表した。通常、液体の電解質を使う電池の固体化に成功したという内容で、従来の3倍以上の出力があり、走行距離を延ばす大容量化も見込めるとした。

EVやHVに使われるリチウムイオン電池は液体で事故時に漏れ出す危険があるが、固体化されれば危険性が減る。さらに充電時間の短縮や従来とほぼ変わらない耐久性も判明した。

20年代前半の実用化を目指すとされるこの次世代電池の開発に、県中性子ビームラインが使われた。通常のX線や顕微鏡では見えない分子構造を、中性子を使って見通すことができる。「技術開発のスピードアップに貢献している」(県科学技術振興課)という。

県によると、県ビームラインの採択課題(利用)数は、09年以降20〜50件台で推移。17年度(12月1日現在)までの10年間で359件あった。このうち、リチウムイオン電池関係の利用は167件あり、13年度の68%(19件)を最高として割合は平均46・5%と半数近くを占めている。

J-PARC全体の産業利用数は16年度までに538件あり、このうち県ビームラインは328件と61・0%を占める。産業界にとって重要な存在と言える。

県ビームラインは、電池開発など主に産業利用に使われている材料構造解析装置(iMATERIA)と、タンパク質など有機物の解析に使われる生命物質構造解析装置(iBIX)の2本ある。iBIXでは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究も行われており、国際宇宙ステーションでの創薬研究を後押しすることなども期待されている。

 

茨城新聞クロスアイ

宇宙航空用タンデム型太陽電池〜安定な衛星運用に向けて

 太陽電池の効率競争はシリコン多結晶に迫る性能をペロブスカイト材料が達成しその後も急速な効率向上がめざましい(注1)。一方、太陽光の広範囲な波長分布に対応し、有効にエネルギー変換を行うためには、古くから異なるバンドギャップの半導体セルを併用するタンデム型(多接合)太陽電池開発も行われてきたが、超高効率化が可能になる反面、製造コストや技術的課題が多かった。

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驚異の的中率MEGA地震予測、2018年の警戒地域は

 政府の地震調査委員会は、かねてより懸念される南海トラフ地震について「マグニチュード8以上が30年以内に60~70%の確率で発生する」とアナウンスを発してきた。昨年末は北海道東部・千島海溝沿いにも巨大地震のリスクを指摘。「マグニチュード9クラスが起こる可能性は30年以内に7~40%」と発表し、大新聞の1面を賑わせた。

 しかしそのような警鐘は、効果的な注意喚起になり得るか。いつ起こるかわからない大地震に対し、高いレベルで警戒を続けるのは非常に難しい。

 そうした「雲を掴むような予測」とは全く異なるアプローチで地震発生の可能性を察知しようとしているのが、測量学の世界的権威として知られる村井俊治・東大名誉教授が開発した「MEGA地震予測」だ。

 同予測のベースとなるのは、全国1300か所に設置された国土地理院の「電子基準点」のGPSデータだ。そのデータをもとに地表のわずかな動きをキャッチし、地震発生との関連を分析する。1週間ごとの基準点の上下動による「異常変動」、地表の長期的な「隆起・沈降」(上下動)、地表が東西南北のどの方向に動いているかを表わす「水平方向の動き」の3つを主に分析し、総合的に予測する。

 村井氏は2016年4月に発生した熊本地震を直前に「熊本・鹿児島で顕著な沈降傾向」と注意喚起するなど、多くの大地震の兆候を指摘してきた。

 村井氏自身は「ピンポイントの予測には遠いので、精度を高めていかなければならない」と“研究途上”であると強調するが、その「的中実績」は高い。だからこそ本誌は定期的に村井氏の予測をアップデートしている。

 今年、警戒を強めるべき地域はどこなのか。村井氏が会長を務める民間会社JESEA(地震科学探査機構)の協力のもと、最新警戒ゾーンを掲載する。

 

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