ポストLHCを目指す加速器たち〜これから何を狙うか、何をすべきか

ハドロンコライダーLHCは世界最大の加速器である。世界最高の先端技術を集めた加速器が欧州にあり、国境を越えて粒子が飛び交う加速器は、いわば欧州統一を目指すEUの象徴であり、科学技術の求心力として働いている。日本の研究所の常識をはるかに越える規模で、LHCの広報・教育が徹底している。大人はもちろんLHCを知らない中高生はいないほどである。

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有機系太陽電池の開発指針となる一重項分裂

一重項分裂(Singlet fission)は有機系太陽電池の性能を飛躍的に高める鍵となるとして脚光を浴びている。バークレイ研のエネルギー関連物質の励起状態を研究している計算機科学チームは計算機シミュレーションで0.1フェムト秒スケールで起きる一重項分裂(注1)によってエネルギー返還効率が大きく影響されることを見出した(Refaely-Abramson et al., Phy. Rev. Lett. 119, 267401, 2017)。

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第4世代トリウム原子炉〜プルトニウムが処理可能になるか

核大国ロシアが保管するプルトニウムは膨大でその処理問題は日本同様に頭の痛い難題である。そのプルトニウム処理がトリウム炉で行えるかもしれない。トリウムを燃料とする小型高温炉の研究開発を行なっているトムスク工科大学の研究チームは、この原子炉が兵器級プルトニウムから熱エネルギーを取り出す、すなわちプルトニウム処理に使えるとした研究結果を発表した。(Shamnain et al., Annals of Nucl. Energy 113, 286, 2018)。

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低温で動作する新型ダイレクトカーボン型燃料電池

燃料電池の鍵となるのは負極となる炭素系材料であるが、アイダホ国立研究所の研究チームは電極構造と電解質を改良したダイレクトカーボン型燃料電池(DCFC)を開発した(Wu et al., Advanced Materials online Dec. 8, 2017)。

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LCLS-IIで超伝導加速空洞の設置が始まる

 2018年1月19日にSLACはlCLS-IIの一部である超伝導加速空洞(クライオモジュール)の最初のユニットを設置した。超伝導加速空洞はフェルミ国立加速器研究所で制作されSLACに運び込まれた。

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中国が科学技術論文アウトプットで世界の首位に

筆者は中国の科学論文の質・量共に驚異的な発展を遂げていることを何度か、指摘して来た。つい最近筆者が加わった博士論文の審査会では、2名の博士課程終了の学生の論文リストにはそれぞれ高IF論文2-3報が含まれていた。もちろん筆頭著者ではない場合もあるがその学生が中心的な役割を果たしていることがほとんどである。ランキング上位にある中国の大学の研究レベルは高く、一昔前のコピー文化のイメージは過去の話なのである。

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変わりゆく国主導プロジェクト〜核融合研究にみる官から民への潮流

スペースX社に代表される宇宙開発における民間企業の躍進は目を見張るものがある。宇宙開発といえば米国のNASA、空軍の国家主導型によって推進されてきた。しかし現在では官から民への転換で大型ロケット開発から打ち上げ、各種プローブの軌道投入や惑星間移動に到るまで、広範囲な宇宙開発の推進力になりつつある。

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エリクソンの哲学に込められた放射光源の持続性とは

筆者はMBAラテイスのパイオニアであるMAXIVの加速器主任(KEKでいえば加速器主幹、SPring-8では光源基礎部門長に当たる)のペドロ・タバレス氏から意外な事実を知ることになった。日本では加速器研究者たちが恐れる(もっともではあるが)、MBAの優れた性能の代償とされるダイナミックアパーチャの狭さについて、意外な説明が聞けたのである。

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超低温中性子源TRIGAのアップグレード

超低温中性子(超冷中性子)とは運動エネルギーの低い中性子のことで、極低温・強磁場中で閉じ込めができる。自由中性子の寿命は15分と考えられているが、実はもっと高い精度で寿命を決定する必要がある。

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NドープC20フラーレンの欠陥生成メカニズムが解明される

学術的な興味でのフラーレンの研究はカーボンナノチューブへと展開してやがてグラフェンの研究の大きな潮流の起源となった。これらの炭素系新物質の基礎物性が確立すると、その電子材料のポテンシャルが認識されこれを発揮させるためのN(B)ドーピングの試みが活発化している。

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