半導体検出器(Solid State Detector, SSD)

 先に紹介したシンチレーション検出器は最も多く使用されている固体検出器であるが、そのエネルギー分解能はせいぜい検出フォトンの40%どまりなので、元素固有の蛍光X線が重なって分離できない場合がある。そこで元素を特定したり、核種を同定するにはもっと分解能の高い検出器が必要であった。半導体としてはシリコンおよびゲルマニウムが用いられる他、CdTeなど少数ではあるが化合物半導体も使われる。

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CTとPETの知識−病院で慌てないために

 21世紀はナノテクノロジーの発達と並行するようにイメージング技術が際立った発展を遂げた。医療現場では通常はミクロンスケールのイメージングが多いが、最先端の放射光では100nmのナノビームの空間分解能も実現されている。ところで断面像といえば2Dイメージだが、断面をすこしづつずらして撮像していき最後につなげることで3D(立体)イメージが構築できる。米国では死体を(凍結し)1mmずつスライスして、実物の人体輪切り標本を作製したという。ぞっとする話であるが、そこまでせずに人体内部の立体像が得られる。具体的にはどのような手法があるのだろうか。

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シンチレーション検出器

 シンチレーション検出器はX線(γ線)を波長変換して、可視光を電気信号として計測する。2段階の変換による検出器で、一見回りくどいようだが、最も広範囲に利用されている検出器といえるだろう。高エネルギー物理から原子力にいたる幅広い分野で広範囲に使われている最もポピュラーな検出器のひとつといえる。ではいったい何故、そのような変換が必要なのだろうか。ここではX線を吸収して可視光を放出するシンチレーションの原理と計測系について簡単に説明する。シンチレーター結晶の写真を以下に示す。 中央の巨大な単結晶がシンチレータ結晶でその周りあるのは検出器本体である。用途により様々な形状のものがあるが最も一般的なものは円筒状のフォトマルの先端にデイスク状のものが取り付けられた写真に示すタイプである。

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イオンチェンバー —ガス分子のイオン化で放射線を計測する(第2回)

 電離によって電子と正イオンが対として生成された後に衝突し中性分子にもどる過程を再結合と呼ぶ。再結合の起こる割合は生成されたイオン数に比例するが、その係数(再結合係数)は気体の種類によって異なる。イオン電流(I)は正イオンの移動と電子の移動の寄与の和で与えられるが、それぞれは電場により生じる項と拡散により生じる項からなる。電極間の容積に対してこれらの積分を行うことにより、電子と正イオンによる全電流密度が得られる。実際に積分を行うためには電極の形状を決める必要がある。ここでは最も簡単で広く放射光の強度モニターとして用いられている平行平板型イオンチェンバーについて考えてみることにする。

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イオンチェンバー —ガス分子のイオン化で放射線を計測する(第1回)

イオンチェンバーとは

 正確にはIonization Chamberと呼ぶもので、日本語でズバリ電離箱である。放射光の実験、特に硬X線領域で仕事をする人ならイオンチェンバーは大抵の人が使った経験があるだろう。イオンチェンバーは原子核物理や高エネルギー物理に従事する人には電離箱の名称で親しまれている。

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