テラヘルツ帯表面光整流で大面積エミッタが可能に

空港での手荷物検査と金属探知機は旅行者全員が対象であるが、任意抽出されればX線透視が待っている。しかし妊婦など被爆を受けたくない人も多く、X線に代わる透視技術の必要性が高まっている。

 

サセックス大学の研究チームはX線に代わる被爆のない透視のためにテラヘルツスキャナーを開発した(Peters et al., Nano Energy 46, 128, 2018)。マイクロ波と赤外の中間のテラヘルツ帯では、電磁波が水分子に吸収されない性質を利用して人体中への電磁波の侵入を防げる。 

研究チームは半導体薄膜を用いた表面光整流エミッタ(下)でテラヘルツ帯電波を発生することに成功し、それを用いて壁全体がテラヘルツ送信機とすること技術を目指している。そうなれば現在のように小部屋に入って透視する代わりに、旅行者が歩いていくだけで壁が透視機能をもつことで、閉塞感のないスキャナーが設置できる。

 

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Credit: cassandrahunt

 

また医療応用ではテラヘルツ帯透視は歯の治療や腫瘍の外科手術でもX線を置き換えるポテンシャルを持っている。しかし電界誘起光整流では、放出の最大限度が存在し、媒体の表面電界の光キャリア誘導中和によって支配されため、高エネルギーTHzエミッタにおける表面光整流の限界を決める因子となる。

研究チームはポンプエネルギーに対してテラヘルツ電界の飽和が実際には起こらないことを見出した(下図)。ポンプエネルギーと放出されるテラヘルツ波の2次函数的な依存、すなわち飽和が起きないことが明らかになった。これにより大面積エミッタ製造への道が開かれたといえる。

 

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Credit: Nano Energy

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