医療イメージングを劇的に高度化するAI

AIを人間にとって脅威ととるか、複雑な仕事をこなして人間を助ける存在となるか議論が続いているが、AIという表現で全てを一括りにした議論は危険である。ここで紹介するAIは医学用画像処理に関するもので、医療診断ではないから受け入れやすいものだろう。

ハーバード大学のバイオイメージング研究チームはAIを使って医療イメージの高品位化(分解能とコントラスト)が可能になることを見出した(Zhu et al., Nature 555, 487, 2018)。

ここで開発された画像再構成技術は、医療イメージのほか、光学イメージ一般やレーダー、磁気共鳴イメージング、X線CT、PET、超音波イメージング、RF天文学など、多岐に渡るイメージングに適用できる。

 

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Credit: Nature

 

イメージセンサから得られる対象領域内の物体の中間表現を符号化し、符号化関数の反転によって画像に再構成する。センサーの非直線性やノイズが存在する場合には正確な逆変換の解析に必要な数式表現が利用できないことがある。標準的な再構成アプローチはそのため、信号処理過程の段階でその都度逆関数を近似することである。再構成操作を最適化するためには専門的知識を有するパラメータ調整が必要となる。

研究チームは画像再構成のためのAUTOMAP)による自動変換アルゴリズムを開発し学習機能を持たせ、ニューラルネットワークに適用して磁気共鳴イメージに適用した。さらにトレーニング中の多様な学習が、従来の手作業による再構成方法と比較して、ノイズ下での再構成能力が確認された。

AUTOMAPによる再構成手法は、イメージングデータ一般の新しい開発戦略の指針となることが期待されている。

 

 

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Credit: Nature

 

医療イメージングには苦痛を伴うものもある。例えばMRIは普通の測定ではそのままで済むが、高分解能イメージングにはCTのように造影剤が必要で、それはGd金属である。しかし金属アレルギーの患者にとって造影剤は摂取できない。そのためAI技術で画像の質的向上が可能になれば恩恵は大きい。

また放射光のコヒレンスを利用したタイコグラフイーCTは高空間分解能イメージングを可能とする新技術で、解析の高速化にはAIの利用が期待できる分野である。

AIをツールとして用いる医療イメージングへの応用に異論のある人はいないだろう。

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