光の波長で化学反応経路を制御

現在は露光では回折限界の問題で波長が短いと空間分解能が高くなるため、短波長(紫外)光が用いられ可視光は使われていない。将来的には波長の変化と光照射によって反応制御が可能になれば、半導体製造をはじめとして、光反応を利用した産業分野でよりの応用が期待できる。

 

クイーンズランド大学とカールスルーエ研究所の研究グループは可視光の波長を切り替えて、化学反応経路を制御する研究に取り組んでいる。研究グループは超寿命ピラジカルである可視光誘起光重合反応性が緑の光照射中は弱まり光照射オフで、反応性は復活すること、緑の光の照射オンオフで別の生成物が得られること、すなわち光波長で反応経路を制御することができることを見出した(Houck et al., Nature Comm. 8, 1869, 2017)。

 

トリアゾリンジオン(下図)を特定波長の光照射すると、特定波長の光照射で可視光誘起光重合が進まなくなる(光不活性)ことを利用し、紫外線誘起Dils-Alder反応とアルケンの熱付加反応を切り替える、すなわち波長制御で反応経路制御ができる。

 

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Credit: Nature Comm.

 

自然界では植物は光合成では太陽光の紫外領域のみを利用しているため、可視光がない夜間の光合成は停止する。研究グループは可視光で光化学反応制御ができないものか研究を重ね、ついに可視光による化学反応経路の制御を見出した。この反応制御を利用すれば3Dレーザー露光で微細加工が可能になる。

可視光の照射オンオフで光反応制御ができるようになれば、危険性のない可視光レーザー3D露光や3Dプリンタが実用化できる。

 

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