テーブルトップで光のコヒレンス制御に成功

ブラウン大学の研究グループは世界ではじめて光のコヒレンスを変化させることに成功した(Li et al., Science Advances 3: e1700133, 2017)。もちろん放射光を用いれば特定条件でコヒレンス光(X線)を発生させることは可能であるが、今回の研究は加速器を使わない表面プラズモンポラリトンを用いたテーブルトップ実験である。

 

金属と絶縁体界面に閉じ込められた空間を伝搬する電磁波(ポラリトン)(注1)のコヒレンスをインコヒレント(コヒーレンス無し)からほぼ完全なコヒレンスまで、自由に制御できることが示された。コヒーレント光は構造色、イメージングから情報通信まで幅広い応用が可能である。可変コヒレンスの利用が可能になれば情報量が飛躍的に拡大すると期待されている(注2)。

 

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Credit: Science Advances

 

(注2)光学フォノンとフォトンとのカプリングでできたボーズ準粒子。媒質中でフォトンが物質と電磁相互作用を持ちながら伝搬する際の半束縛状態。

(注1)コヒレンス、波長、偏光の3要素が光の性質を決定する。光を情報媒体とみたとき、これらはそれぞれ独立した空間情報と考えることもできるため、これらの組み合わせは膨大な情報媒体でもある。

 

コヒレンスは電磁波伝搬の相関であり、例えばレーザーは高コヒレンス光源である。

コヒレンスを示す代表的な実験が有名なヤングのダブルスリット実験である。研究グループは金属膜中の光子と電子の相互作用でコヒーレンスを完全制御することに成功した。

 

ヤングの実験では2本のスリットを通過したコヒレント光同士が干渉することで干渉パターン(干渉縞)を生じ、その解析でコヒレンス度合いを知ることができる。実験ではポラリトンでコヒレンスを変化させ、ヤングの干渉実験と同じように干渉パターンからコヒレンスの変化を調べた。

その結果、表面プラズモンポラリトンでインコヒレントから最大80%コヒレントまでのコヒレンス制御がテーブルトップで可能であることが明らかになった(下図参照)。A〜Fは3種のKohler角度に対応する条件のもとでの干渉パターンを示している。

 

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Credit: Science Advances

 

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