4次元電子顕微鏡でナノ粒子拡散が観測可能に

カルテックの研究グループがブラウン運動するナノスケールの対象を観察する新しい手法を開発した(Fu et al., Science Advances 3, e1701160, 2017)。研究グループは4次元電子顕微鏡で金ナノ粒子の液体中の拡散の様子を実時間観察することに成功した。

  

4次元電子顕微鏡とは

4次元電子顕微鏡とは超高速パルスレーザーと透過型電子顕微鏡を組み合わせたもので、放射光で言えばポンプ・プローブ分光に相当する。2台のレーザーが用いられるがそのうちの1台は励起用フェムト秒レーザーで、他の1台はナノ粒子の動きの実時間観察のための短パルス電子ビームを作るナノ秒レーザーである。

 

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Credit: Science Advances

 

実験では液体中の金ナノ粒子に励起レーザー(520nm)を照射し時間差をつけてプローブレーザーパルス(266nm)がLaB6フォトカソードに打ち込まれプローブ電子パルスが作られる。

研究グループによれば励起レーザー出力を増大するといくつかのバブルが集合するこれまでに知られていない現象が観察された。4次元電子顕微鏡によって拡散運動の実時間観察が可能になったことで、湿式反応でナノ粒子の成長過程が直接観察できるようになった。

非平衡状態にある分散系の実時間観察ツールとして4次元電子顕微鏡は威力を発揮するものと期待されている。下図に示されるように励起レーザー出力に依存したブラウン運動の経緯が追跡できる。

 

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Credit: Science Advances

この研究は最近の放射光利用技術(ポンプ・プローブ分光)を電子顕微鏡に応用したものであるが、背景には短パルスレーザー技術の進歩とフォトカソード電子線源という加速器技術の応用がある。

 

 

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