衰える太陽活動でも増大するUV-Bの謎

UV-Bとは波長280-315nmの波長域の紫外線のことで、人間の皮膚にとっては日焼けの原因であり、社会生活に影響の多い紫外線である。日焼けは色素細胞が可視部に吸収帯をもつメラニンを生成することで起こる。このUV-Bの地上への照射量はしかし0.5%にすぎず、ほとんどは大気中で吸収される。

  

UV-Bとは

地上で観測されるUV-Bはしたがって照射量が増えるか吸収量が減れば増大することになる。気象庁のデータによれば人体に紅斑などの影響を及ぼすUV-Bを中心とした紫外線量(紅斑紫外線量)が国内3地点(札幌、つくば、那覇)のうち、那覇以外の地表に到達する紫外線量で増大する傾向にある(下図)。増加量は3-5-5%/10年であるので無視できない量である。

 

cie 2015

Credit: 気象庁

 

UV-Bの定量評価は難しい

UV-Bの最大の謎はUV-B増大の現象が(照射量が一定とすると)オゾン密度と逆の関係にあるのに、オゾン全量は増加の傾向にあることである。UV-Bの地表における照射量はオゾン以外に、エアロゾルや雲量に影響される。最近では地球モデルの精密化によって、これらは精度よくシミュレートできるようになり、雲、雪の影響や地域による違いも取り込んで、大気中の吸収過程は定量評価が可能になっている。また衛星データが公開されて、各地の紫外線情報の精度が向上した。

紫外線吸収の大きいオゾンとエアロゾルはこれまで衛星観測で評価なされていなかったが、最近では衛星と地表データを組み合わせて総合的に評価できるようになった。しかし細かく見ればオゾン密度は変化し続けている。一方、待機中の塩素濃度は緩やかに減少し、臭素濃度は逆に増大している。それでもハロゲン濃度は全体で減少傾向は見られないがCO2によるオゾン層の破壊は進んでいる。これらの環境変化は複雑で相関を持つため、これらを取り込んだUV-B照射量の評価は誤差が大きい。

一部の地域でのUV-Bとオゾンとの関係は矛盾する報告もある。気象庁の国内の紫外線データも3箇所に限られるので、観測点を増やさなければ全体像がつかめない。

オゾンなどUV-Bに影響を与える因子の変化が現れるまでの時間差が大きいことも解析を難しくしている要因となっている(Photochemical & Photobiological Sciences 1, 2003)。気象庁データに関してはオゾン全量の増加を上回るエアロゾルの減少と雲量減少で説明している。

地表で観測する太陽放射の変化(下図)は11年周期の長周期構造の一部になるが、最近の傾向として地表に届く太陽放射が増大傾向にあるので、UV-Bの挙動と矛盾しない。

 

Surface Solar Radiation

Credit: skepticalscience

 

地球表面温度の上昇もかつての地球温暖化説から脱却して、太陽放射量の影響として解釈されるようになった。地表での表車両にはもちろんオゾンやエアロゾル、雲量が影響し、そのオゾンに温室効果ガスが影響するから温室効果ガスを抑えることで日射量を減らすことには意義がある。

10年前と比べて紫外線が強く感じる。偏光サングラスが手放せなくなった。10年で5%増大というのは無視できないように思えるのは歳のせいだろうか。

 

 

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