放射光/加速器科学

実現が前倒しになる放射光HALSについて

筆者はこの原稿を中国でかいている。ここの大学には800MeVの放射光がある。少し前に分子研のUVSOR(公平に見てUVSORII+)に追いつこうかというアップグレードが行われたばかり。下の写真のようにド派手なLED照明が目立つが、リングのエネルギーが上海の3.5GeVSSRFと北京に今年から建設が始まる6GeVのBAPSの間にあって、目立たない存在であった。そのためか少々けばけばしいが「積極的に目立とう」精神はユーザーには明るい夜道となり概ね好評のようだ。

Super LHCの一翼を担うLinac4の完成

現状のLHCは重心系運動エネルギー14TeV、最大ルミノシテイ1034 cm-2s-1で運転されている。周長27kmの世界最大の円形加速器としてエネルギーフロンテイアに君臨してきた。Super LHC(sLHC)は加速器の多くが初期の目標をクリアするとアップグレードで高ルミノシテイ実験によって精密化を目指すようにLHCのアップグレード版となる。

European XFELが発振に成功〜財政負担を軽減するドイツ式精算

DESYはすでに自由電子レーザー(FLASH)が軟X線XFELのパイオニア的存在であった。ヨアヒム・シュナイダー先生率いるFLASHプロジェクトは強力なリーダーシップでSLACのLCLSとともに先導的な役割を果たした。XFELはその後、硬X線領域に発展してSACLAが登場した。欧州は満を辞して短波長XFELを検討し、2009年から非営利企業の研究所としてEuropean XFEL(欧州XFEL)の建設を開始、1年遅れで2017年にコミッションにこぎつけた。

3GeV放射光問題の近況について

 (一財)光科学イノベーションセンターは、平成29年2月15日付の「東北放射光施設 建設地選定に関するお知らせ」のとおり、外部有識者による諮問委員会を設置し、候補地点の適性審査を諮問した。

LHCが新現象を発見〜標準理論を覆すか

CERNのLHCは世界最大のハドロン(注1)衝突型加速器で、陽子・陽子衝実験のエネルギーフロンテイアにある。国際色豊かなジュネーブに近いLHCは研究面でも、国際協力なしには考えられない。その一つの実験グループLHCb(注2)が奇妙な現象をとらえた(Science Apr. 18, 2017)。

放射光の聖地はSSRLなのか〜独自の文化を持つ3GeVリング

放射光の聖地は何処なのかという質問への答えは様々かもしれない。歴史的にはGEのマシンとされているが、別の人はフランスのACOリングを挙げるかもしれないし、核研SOR-RINGだという人もいるかもしれない。しかし汎用のX線リングが世界的に建設されるようになったのはSPEARリングを有していたSSRL(注1)が原動力となったということに異論を挟む人はいないだろう。実際、世界の放射光施設に与えた影響は大きく、課題申請して成果公表を条件に無料使用という運営基準はここが発祥の地である。そういう意味で間違いなく現在の放射光利用の聖地はSSRLと言えるのではないだろうか。

Diamond Ltd.にみる新時代の放射光運営

1980年以降、放射光源は目覚ましい発展を続けて、第3世代の高エネルギーリング、第3.5世代の3GeVリングが現在の主力となっている(注1)。第3世代以降の利用研究の標準化とユーザー層拡大は研究支援や運営の効率化も求められる事になった。そのため蓄積リングが放射光施設として独立して運営される傾向が強まった。ここでは蓄積リングの世代交代時に、運営組織を刷新して非営利企業(NPO)化した英国のDiamondを例に求められる運営組織のあり方について考察することにする。

加速器の未来は明るいのか

最近の高エネルギー物理学のトップランナーがCERNにある世界最大の円形加速器LHCであることは疑いようのない事実である。これまで世界各国を代表する高エネルギー衝突加速器が建設されるたびに規模(エネルギー)は大きくなり建設コストも高騰した。それぞれ見合った成果を出して役目を終えると後継機に未来を託してフェードアウトしていった。

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