放射光/加速器科学

放射光サイエンスの未来

 日本はかつて放射光大国であった。米国を例外とすれば一国のユーザーに開放された放射光はたいてい一カ所だが、日本には現在でも9箇所あるし、一時には専有マシンが関東だけでも5-6基が稼働していた。また医療用の重粒子加速器が全国で15カ所で予定されている。さらに東北地区にILC誘致の動きがあることなどを含めて考えると、他国からすればまさに恵まれた加速器科学の環境である。写真は英国を代表する"Diamond"。英国は一極集中だが財政的にもそうするしかなかった。日本は複数の大型から小型まで取り揃えたバリエーションの豊富さで抜きん出ている。

加速器技術のつくる未来の推進装置EmDriveとは

 加速器科学といえば素粒子物理学など基礎科学に貢献するイメージで、およそ社会に役立つ学問ではなさそうだが果たしてそうだろうか。RF空洞はほとんど全ての加速器に使われる重要な構成要素であるが、この技術を推進装置に利用するのがEmDrive(RF resonant cavity thruster)である。(下に超伝導RF空洞の模式図を示す)

MEDSI2014について

 2014年10月20日(月)〜24日(金)にMEDSI2014(International Conference on Mechanical Engineering Design of Synchrotron Radiation Equipment and Instrumentation)がメルボルン(オーストラリア)のHilton on the Parkにて開催された。    

LHCにプロトンビーム復活

 CERNの世界最大の円形加速器LHCに陽子ビームが戻って来た。2015年4月5日は記念すべき日となった。2年に渡るシャットダウンとエネルギー増強のための準備期間、および再スタートへの数ヶ月の準備の後に、LHCが復活したのである。

欧州の大型施設の戦略−LHCから大出力レーザーELIまで

LHC/CERN
 欧州の加速器としてはCERNのLHCが有名である。世界最大の円形加速器LHCはヒッグス粒子発見の偉業を達成した後、2000年に休止してアップグレードに入り2011年から再び稼働した。LHCは周長27kmの加速器で陽子ビームをエネルギー7TeV=7000GeVまで加速し衝突を行なって発生する粒子を複数の検出器で観測する。2020年には高輝度ビーム(注1)でより精密な衝突実験が予定されている他、2030年から33TeV建設計画をCERNは提案している。

(注1)放射光ビームの輝度はBrillianceという単位で計るが加速器ではLuminocityという単位であらわす。

見果てぬ夢(放射光)を追いかけて

 筆者は金属の物性の勉強とスポーツをしたくて東北大物理教室平原栄治研究室に入った。4年次の平原研同期生は、浅見勝彦(金研)、川上正之(鹿児島大)、木下勝雄(川崎製鉄から千葉経済大)、堀内豊太郎(テキサスインスツルメンツ)の諸氏だった。この時分(昭和35年前後)に入学した多くの同窓生は現在も母校の動向に関心があり、また今でもお付き合いさせていただいている。

あいちSR見学記−コンパクト放射光セグメントの意味

 日本の新しいリングは何処か?という質問を海外で外国人から頻繁に受ける。確かにかつての日本は放射光大国であり、放射光バブルの震源地でもあった。基礎科学から産業利用まで幅広いニーズがあったことと、層の厚い加速器研究者層、そして何より採算性より積極的な投資に湧いたバブル景気が一体となった結果だと筆者は思っている。放射光の建設ラッシュがひいた現在でも陽電子治療加速器施設の建設が活発で建設中も含めれば1国で15カ所というのも世界に類をみない。

ミューオンでみる原子炉心

 ミュー粒子(ミューオン)は宇宙線の観測で発見された素粒子で、電子と同じ電荷を持ち206.7倍の質量を持つ。質量は中間子に近いものの、ミューオンんは中間子が崩壊してできる別の粒子である。下の図はミューオン崩壊の模式図。ミューオンは寿命は2.2×10-6秒で電子、反ミューニュートリノ、電子ニュートリノに弱い相互作用で崩壊する。

Login

スポンサーサイト

最近のコメント

  • ホンダジェット成功の秘密
  • 「もつれた」3GeV光源の行方とそのリスク
  • 「もつれた」3GeV光源の行方とそのリスク
  • 「もつれた」3GeV光源の行方とそのリスク
  • 「もつれた」3GeV光源の行方とそのリスク
  • 高速増殖炉は何故うまくいかないのか
  • 放射光リングの持続性について〜加速器の経済学
  • 放射光リングの持続性について〜加速器の経済学
  • 癌完全治癒に向けてのオンコロジストのメッセージ
  • ヘリウム危機で早まるか高温超伝導の実用化

Copyright© 2013.   放射線ホライゾン rad-horizon.net   All Rights Reserved.