放射光/加速器科学

標準理論の終焉となる2016年

様々な科学技術分野で2016年が展開点となりつつある。1960年代後半から限界を迎えることなく続いてきたムーアの法則も終焉を迎えることとなった。終焉が噂されてきたこの法則に終わりが来たことをついにインテルを含む半導体メーカー各社が認めたのである。

放射光加速器の輪廻〜直線加速器と蓄積リング

放射光は相対論的速度の電子が(多くの場合)磁場中で運動方向が変わる(曲がる)際に放出される光子束である。電子を曲げた際に失われたエネルギーをRF空洞によって補えば、ドーナッツ状のトンネルの中を一定数のバンチと呼ばれるパケット中の電子が周回し続ける。(実際には電子が残留気体と衝突して消滅したり電子相関によるロスもあるので余分にエネルギーを補充しなくてはならないが)電子を増やしたり蓄積して「安定な光源」となる。

新しい科学技術の評価〜経済効果(英国科学技術施設協議会の場合)

科学技術を論文のインパクトファクター(IF)の総計で評価するのは過去の時代になりつつある。社会が科学技術に対して要求するのは様々な問題を含むインパクトファクターではなく、実際に社会への貢献度を評価する経済効果(Economic Impact)に変わりつつあるからだ。筆者はアカデミズムの世界に魅力を感じて育ったので、経済効果で研究開発を評価するということはピンとこないのだが、現実にはEIで研究予算が決まりプロジェクトの成果が評価されている。

公開されたKEK-ILCアクションプラン

2016年1月6日にKEK-ILCアクションプラン・ワーキンググループからアクションプランがウエブ公開された。ウエブからダウンロードできるこの資料の概要と1月7日にKEKで開催された第33回リニアーコライダー計画推進委員会にオブザーバーとして参加した印象をまとめた。

LHCが新しいヒッグスボソンの兆候を発見

周長27kmで世界最大の円形加速器LHCが、陽子衝突エネルギーを当初の倍となる14TeVにパワーアップした。LHCは新シーズンの実験で早くも新しいヒッグス粒子(注1)の兆候をみいだした。LHCに設置してある複数の検出器のうちのATLAS(注2)とCMS検出器で予想外の巨大な特異点を示すデータが得られた。

 

試練を迎える加速器科学

 加速器と一口にいっても衝突実験から医療用まで多岐にわたる。速器の種類や規模はその目的に応じて大きく異なり、一括りにした説明はできない。それぞれの分野で先端技術が投入され性能は「ムーアの法則」に沿って向上して来た。しかし同時に大型化、複雑化したため建設・維持コストも高騰していくと、これまでのような国の予算化が困難な状況に陥る恐れがある。

超伝導空洞は加速器の心臓

世界最大の円形加速器といえば周長27km、エネルギー13TeVでどちらも世界最高のLHCが有名だが、加速のメカニズムである粒子を加速する超伝導空洞はその心臓ともいうべき加速器の主要な構成要素のひとつである。

LHCのもう一つの顔—ALICE

CERNの世界最大の円形加速器LHC(Large Hadron Collider)が陽子衝突実験でアップグレードによってこれまでの最大エネルギーを倍の13TeVに増大して、新たに衝突実験を開始したことは伝えた。実験の目的が暗黒物質(Dark Matter)と呼ばれる宇宙空間にある未知の物質の解明を通して標準模型を超えた新しい理論体系を構築するためのものである。

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