放射光/加速器科学

世界最高のX線光源を目指すLCLS2

 

可視領域の高輝度コヒレント光としてレーザー光は理想的であり、半導体レーザーによってレーザーを使う光学機器は科学機器のみでなくDVDプレイヤーやプリンターなど民生品として身近に溢れるようになった。

レーザー発振では、キャビティの中に設置された媒質を励起して両端に置かれた2枚の反射鏡で反射され波長がキャビティ長さの整数分の一となる定常波を外部に取り出す。同様にX線領域でコヒーレントX線を取り出すには自由電子と電磁場の相互作用を使うX線領域の自由電子レーザー(XFEL)となる。

放射光の地域格差は何故存在するのか

分子研のUV-SOR、高エネルギー加速器研究機構(KEK)のフォトンファクトリー、理研と原研が共同で建設したSPring-8の3つの施設が全国の研究者に門戸が開かれ、放射光は日本中に浸透した。これらのリングの建設の経緯は論文(T. Sasaki, J. of Synchrotron Radiation)に譲りここでは詳しく述べない。

テトラクオークは存在するか

老兵は死なずと言われるように役目を終えて後継の施設に道を譲りひっそりと消えていくのが巨大な衝突型加速器である。しかしフェルミラボのLEPができる前まで、世界最大の円形加速器であったテバトロンはちょっと違った。引退したと思われていたそのテバトロンが、再び素粒子科学の最前線に立ったのだ。

標準理論(モデル)を揺るがすLHCb実験

LHCのATLAS、CMS実験によって観測された750GeVのピークの起源についてヒッグスボソンより質量が大きい新素粒子である可能性が憶測を呼んでネットを賑わせている。LHCの別の検出器LHCb(LHC-beauty)がB中間子(メソン)(注1)の崩壊過程が標準理論の予測と外れることを見出した。ATLAS、CMS、LHCbが定説を覆しそうだ。

確度が高まるLHCの新粒子発見

素粒子の世界では加速器のエネルギーフロンテイアが新粒子発見の最先端である。エネルギーフロンテイアはすでに世界最大の円形加速器LHCを最後に2016年に破綻がはっきりしたムーアの法則と同じように、躍進の時代は過去のものとなった。現在のエネルギーフロンテイアにあるアップグレード後のLHCの13TeVに続く、次世代加速器は直線加速器(ILC)となるがエネルギーフロンテイアとは異なる次元の加速器となると考えられている。素粒子物理を支えてきた標準理論(モデル)根底から揺るがす新粒子の兆候がLHCからもたらされた。

標準理論の終焉となる2016年

様々な科学技術分野で2016年が展開点となりつつある。1960年代後半から限界を迎えることなく続いてきたムーアの法則も終焉を迎えることとなった。終焉が噂されてきたこの法則に終わりが来たことをついにインテルを含む半導体メーカー各社が認めたのである。

放射光加速器の輪廻〜直線加速器と蓄積リング

放射光は相対論的速度の電子が(多くの場合)磁場中で運動方向が変わる(曲がる)際に放出される光子束である。電子を曲げた際に失われたエネルギーをRF空洞によって補えば、ドーナッツ状のトンネルの中を一定数のバンチと呼ばれるパケット中の電子が周回し続ける。(実際には電子が残留気体と衝突して消滅したり電子相関によるロスもあるので余分にエネルギーを補充しなくてはならないが)電子を増やしたり蓄積して「安定な光源」となる。

新しい科学技術の評価〜経済効果(英国科学技術施設協議会の場合)

科学技術を論文のインパクトファクター(IF)の総計で評価するのは過去の時代になりつつある。社会が科学技術に対して要求するのは様々な問題を含むインパクトファクターではなく、実際に社会への貢献度を評価する経済効果(Economic Impact)に変わりつつあるからだ。筆者はアカデミズムの世界に魅力を感じて育ったので、経済効果で研究開発を評価するということはピンとこないのだが、現実にはEIで研究予算が決まりプロジェクトの成果が評価されている。

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