放射光/加速器科学

第5の力で覆るとみられていた標準理論が復活か〜新素粒子確認できず

宇宙に存在するすべての物質は4つの相互作用で説明されてきた。4つの相互作用とは重力、電磁気力、強い相互作用、弱い相互作用である(注1)。しかし最近の大型加速器やカミオカンデの実験結果が4つの相互作用を基盤とする標準理論で説明できないことがわかると標準理論も絶対的なものとは言えなくなっていた。

世界最大の加速器を建設する中国〜加速器の経済学3

中国の不動産バブルは簡単に収まりそうにない。所有者は見つかっても住人の見つからない高層アパートを延々と作り続けることの無意味さは誰も気がついているが、止めれば不況が襲うからやめられない。その中国は一方で科学技術においても、莫大な資金力をつぎ込み世界最大規模の施設を建設しまくっている。多くの施設は科学アカデミー予算であるが予算獲得には、世界の先端となることが条件だから先進国がためらう規模の壮大な施設が次々と出来ていく。

放射光における「ムーアの法則」終焉の意味

ムーアの法則は放射光蓄積リングの輝度(注1)の時間変化に当てはまる。この事実は蓄積リングの進展を示す例として用いられることが多い。放射光の輝度も半導体チップの集積度も「ムーアの法則」(注2)に沿って展開してきたが、ここにきてどちらも終焉を迎えようとしている。このコラムではムーアの法則の破綻の意味とその先にあるものについて考えてみたい。

スモール・イズ・ビューテイフル〜加速器の経済学2

ビッグ・イズ・ワンダフル、スモール・イズ・ビューテイフル(注1)というのは、フォトンファクトリー3代目所長だった千川先生の口癖であった。当時は結晶学(構造解析)のユーザーの期待に沿うように硬X線の光源を目指して各国が、大型化に向かう放射光の流れの真っ只中で、「1Gev以下のVUV光源の専用マシンである小型放射光にも、その価値があることを忘れてはならない」、という趣旨だったと筆者は理解している。

放射光リングの持続性について〜加速器の経済学

日本の放射光にはかつてのバブル期(1980年代)の面影はない。遅れて参入してきた国々が新第3世代(以後第3+世代)あるいはその発展系である第4世代世代リングを建設し、1nmを切るエミッタンスで、輝度が1010〜1021となっても、新世代のリングの建設は始まる気配がない。80年代のバブル期とさかんであったリング建設の時期が重なることを考慮すれば、背景にあるのはやはり財政の悪化ではないだろうか。

FCC(Future Circular Collider)〜果てしない加速器の挑戦

周長27km、エネルギー13TeVのLHC(Large Hadron Collider)は世界最大の円形加速器である。詳細と成果はこれまでに何度か説明してきたので詳細は省く。ここで紹介するのはその先にあるより巨大な次期ハドロン衝突リング(FCC; Future Circular Collider)である。現在は提案の状況にあるがLHCの成功により欧州と米国を中心に(日本も参画するがILCに軸足がある)、実現性が高くなってきた。欧州経済の減速で財政的には困難なはずであるにもかかわらず、である。

加速器を巡る最近の動き〜新展望が開けるか

加速器関連最大の国際会議IPAC2016(7th International Particle Accelerator Conference)が、釜山で韓国のPAL(Pohang Accelerator Laboratory)がホストとなり現在、開催中である。衝突型加速器から放射光リング、XFEL、産業利用と広範囲な分野の加速器研究者が一堂に会する会議で、国際会議としては珍しく新緑の季節に開催される。

水分子に新しい相を発見

オークリッジ国立研究所はパルス中性子発生源を用いた研究とスパコンによる計算化学により気相、液体、固体のどの相にも属さない新しい相の存在が見出された。ベリルという鉱物(注1)結晶の六方対称の50ナノメートル幅のチャンネルに閉じ込められた水分子の中性子散乱実験が英国のラザフォード・アップルトン研究所で行われた。その結果、低温で水分子は固定されず原子位置が非局在化することがわかった。量子力学的な原子の非局在化には壁との相互作用が影響していると考えられている。

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