放射光/加速器科学

APSアップグレード(APS-U)の狙い〜基礎科学で再興を目指す米国

放射光は現在、6GeVの第3世代リングがESRFを筆頭に順次、アップグレードに入りそれぞれに約1年間の「ブラックアウト」と呼ばれる静寂の停止期間が訪れる。米国の放射光の要と言えるAPSはどのような戦略でアップグレードに望むのであろうか。エネルギー省の予算計画は認められたものの、それは米国が威信をかけて世界一のX線光源となることが条件であった。

放射光の戦略とは

世界の流れが3GeV放射光に傾く中で、中国は6GeVリング3強に近く仲間入りする。老朽化した北京の放射光施設の後継機となるBAPSでは2016年秋から建設が開始され、>6GeVリングは世界で5箇所になる。一方では世界の放射光のリングは3GeVとなっている。

超高性能バッテリーとナノ科学〜放射光の果たすべき役割

EVもFCVもバッテリーで動く車である。つまりどちらも電気でモーターを動かす非内燃機関で駆動する車である。EVの場合はバッテリーの蓄電能力が車の性能、特に航続距離、を左右しFCVは燃料電池の発電能力がこれに相当する。

異色の高輝度光源PETRAIIIの実力

世界的な3GeV光源の建設ラッシュと建設が遅れている日本の3GeV光源の「もつれ」については先に記事を書いたが、現在でも解決する気配が見えない。このまま日本の放射光が世界の先端から消えていくのか不安が募る。

アンジュレータ設計思想の変遷

ESRFのアンジュレーター(u35)設計思想は次の3点に要約できる。

・ X線分光(吸収・発光)に最適化する前提

・ Tender x-ray(2-7 keV)を1次光でカバー(実際には2.2-8.5keV)(注1)

・ 3次光で21keVまでをカバー(注2)

3GeV光源のもつれの原因〜軟X線光源についての再考察

3GeV光源としてSLiT-Jを選択すべきなのか、それとも3GeV-KEKにすべきなのか、混沌とした状況が続いている。混乱するときには発端に立ち返ると見通しがよくなることがある。そもそも「何故3GeV光源が必要か」という原点は「日本の放射光の軟X線光源の弱さ」にあったはずである。

加速器新技術によるコンパクトX線光源〜その3 : 高次高調波発生(HHG)

放射光の加速器科学は短パルス性とコヒーレンス、高輝度の追求でレーザーを目指してしているといわれる。確かにXFELを契機として赤外から紫外線領域まで革命的なテーブルトップ光源としてレーザー光の成し遂げてきた功績なしに我々の社会は成立しないといっても過言ではない。またXFELの短波長限界も直線加速器とアンジュレーター技術の組み合わせで硬X線領域にまで拡張された。コヒーレンスと短パルス性を特徴とする将来のテーブルトップX線光源として期待されるレーザー・ウエークフイールド、逆コンプトン散乱を取り上げたが、今回は高次高調波発生(HHG)について簡単に紹介したい。

フォトンイン・フォトンアウト分光と3GeV光源

これまで何度か取り上げてきたように「3GeV光源」のもつれはまるで「もんじゅ」の将来のように文科省に重くのしかかる。SLiT-Jの根拠は各国が建設中の3GeV光源により軟X線領域の日本の放射光源が弱体化したこととそれを補う緊急性にあった。確かに輝度の比較をみせられればそういう認識を持たざるを得ないだろう。財政難ではあるが産業利用で東北復興拠点となることから目をつぶって300億円を投入したい気持ちも良くわかる。

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