第4世代光源の潮流と日本の放射光の未来

筆者は昨年末に第4世代光源の会議(Workshop on Coherent Light Source and Sciences)に出席した。すでにお伝えしたように(コヒレント光源とサイエンスに関するWS〜第4世代光源の新たな基準とは)会議の中心はいち早く新しい磁石配列(MBAラテイス)で、低エミッタンス第4世代光源の発端となったMAXIVとそれに続く第4世代第2号マシンとなるブラジルのSIRIUS、そしてMBAラテイス発展形でさらに高性能化をめざす第3.5世代光源、SOLEIL、Diamond、SLSである。

続きを読む...

中国の大強度中性子源CSNS

筆者はすでに何度か中国の科学技術が(かつての日本を彷彿とさせる)力強さで、先進国を追い上げていることを強調してきた。加速器分野だけではない。粗悪な製品やコピー文化イメージの強い中国だが、今や世界最高性能の施設の多くを中国が手がけている事実をそろそろ素直に認めるべきだろう。

続きを読む...

LCLS+LCLS-IIが先端加速技術で挑むXFEL先端サイエンス

SLACは複数回のアップグレードを受けたものの老朽化を隠せない放射光リングSPEARIIIを更新せず、2つのプロジェクトに将来を託している。ひとつは回折光源を目指すPEP-X(加速器の再利用は究極光源(USR)への近道か〜PEP-X)とここで再度、紹介する自由電子X線レーザーLCLSとLCLS-II(世界最高のX線光源を目指すLCLS2)である。

続きを読む...

ナノプローブX線イメージングによる半導体界面オペランド計測

放射光オペランド解析というとバッテリー電極や触媒機能の研究の成果が頭に浮かぶ。ここではナノ半導体ナノ界面のオペランドX線イメージング解析を紹介したい。個々の測定法(XRF、XANES)はよく知られた手法であるが、ナノプローブX線ビームの利用でナノ界面への新展開が可能となった。

続きを読む...

GAMBITが超対称性素粒子のエネルギーを予測

GAMBITとはGlobal and Modular Beyond-Standard-Modelの略。超対称性理論で挑む標準模型を越える素粒子物理の描像を目指す理論予測コードをさす。暗黒物質や物質と反物質の間の対称性の欠如など、残された重要課題をこのツールで予測し、世界最大の加速器LHCで検証可能かどうかが注目される。

続きを読む...

可能性が高まったD-B反応核融合の現実度

ITER建設計画は最終年度に近づき2018年にプラズマ点火が予定されていた。しかし米国新政権はオバマ政権と正反対に環境・エネルギー政策からインフラ・厚生へ軸足を移した結果、エネルギー省予算が縮小され、ITERへの拠出金も大幅な削減となった。この結果、ITERの構成要素の納入予定が遅れ2017-2018年度米国負担が予定通り進行する見込みが立たなくなった。

続きを読む...

世界最高分解能のラウエレンズ

放射光のナノビームのチャンピオンデータは SPring-8の7nmだが1kmの長尺ビームラインを簡単に建設することは現実的でないので、現実的にはナノプローブX線(Tender X-ray)ビームの新たな基準は100nm近辺にあった。しかし多層膜X線ラウエレンズ(MLL)の登場で、10nmクラスのナノビーム実現は比較的容易になってきている(5nmを切るナノビームが身近に〜多層膜ラウエレンズ)。

続きを読む...

電荷秩序をもつニッケル酸化物の振動対称性の破れ〜テラヘルツ分光で観測

これまでLa1.75Sr0.25NiO4など代表的なストライプ物質における集団的な電子の動きの実時間観測は自由電子レーザーの独壇場であった(Lee et al., Nature Comm. 3, 839, 2012)。バークレー研究所の研究グループはストライプ物質の集団的な電子の動き(ダイナミクス)の起源となる電荷ー格子相互作用をテラヘルツ時間分解分光で観測することに成功した(Coslovic et al., Science Adv. 3: e1600735, 2017 )。

続きを読む...

スポンサーサイト

Copyright© 2013.   放射線ホライゾン rad-horizon.net   All Rights Reserved.