中性子高Q構造解析による亜塩素酸ジスムターゼ酵素構造決定

ウイーン大学の研究所グループはオークリッジ国立研究所の量子ビーム(中性子とX線ビーム)施設を用いて、亜塩素酸ジスムターゼ酵素と呼ばれる酸素発生酵素蛋白を調べ、この触媒が有害な産業廃棄物である亜塩素酸の分解する技術を開発した(Shaffner et al., ACS Catlysis 7, 7962, 2017)。 

 

酸素発生触媒機構を分子レベルで明らかにしたこの研究結果によって、光合成以外は自然界に存在しないとされていた亜塩素酸ジスムターゼ酵素の酸素発生機能が汚染水の浄化など、環境保護技術に使えることが期待されている。亜塩素酸ジスムターゼ酵素が1996年に発見されると酸素発生機構に関しては様々な説があり、決定的な機構(下図)は決着していなかった。 

 

Figure 3 Proposed reaction mechanism of chlorite dismutase The reaction starts with the

Credit: ACS Catlysis 

 

MaNDi

亜塩素酸ジスムターゼ酵素の触媒作用は特定の温度とpH下に限られる。研究者らは様々なこれらの環境下で、中性子ビーを使ってこれまで研究がなかったシアノテーセ属のストレス応答特性と結晶構造を調べた。この結晶は対称性が低いため高次回折データを集めなくてはならない。このため研究グループはMaNDi(Macromolecular neutron diffractometer)と呼ばれる高Q空間データ(0.1mm3の結晶で30-300オングストロームの結晶格子)が得られる単結晶回折ステーションを用いた。

 

BL 11B MaNDi detectors 13 0

 

Credit: MaNDi

 

 中性子の特徴である水素原子の散乱断面積の大きいことで脱プロトン過程の結晶構造の変化を決定することができた。 

 

 

You have no rights to post comments

スポンサーサイト

Copyright© 2013.   放射線ホライゾン rad-horizon.net   All Rights Reserved.