Li塩電解質によるLi酸素バッテリーの正極安定化

究極的なLiイオンバッテリーであるLi酸素バッテリー(Li空気電池)では安定な電解質が鍵となる。ボストンカレッジの研究チームは新型の電解質で安定なLi酸素バッテリーが製造できることを見出した(Dong et al., Chem online Apr. 12, 2018)。

 

高濃度Li塩を電解質に

研究チームは電解質に有機溶媒を使用しないLiTFSIと呼ばれる高濃度Li塩が安定動作(正極の安定化)に有効であることを発見した。LiTFSI(注1)では水分子がイオンに固定されるため、酸素分子と接しても安定である。

(注1)Lithium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide、(CF3SO2)2N-Li、”Water-in-salt”のひとつ。

 

LiTFSIを使用した場合、この研究では300サイクル以上の充放電で安定動作が確認されている。市販されているLiイオンバッテリーではLiはコバルト酸化物などの電極材料中に(充放電サイクルに対応して、)出入りする。Li酸素バッテリーでは放電中にLi過酸化物が形成されるため、電極が損傷する問題が課題となっていた。

 

WiS Chem 2018

Credit: Chem

 

研究チームはLi酸素バッテリーの電極に水分子を含む新型電解質を用いることで安定性が改善さレルことを見出した。LiTFSIでは水分子を含むため伝導性に優れるが水分子がイオンに固定されているため、過酸化物を形成しないことが特徴である。

Li塩を電解質に用いる研究は他にも報告されており、究極的なLi酸化還元反応を追求したLi酸素バッテリーの実用化が近づいている。”Water-in-salt”と呼ばれるLi塩電解質は高性能電解質として注目を集めている。

下の写真は放電後の正極表面のSEMイメージ。

 

waterinsalte

Credit: Chem

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