核廃棄物からダイアモンドバッテリーに〜C14のリサイクル

核廃棄物の有効利用はあるのだろうか。半減期をみれば世紀をまたぐ長期保存の現実が重くのしかかる。しかし悩んでいても何も解決しない。

 

ブリストル大学の研究チームは実験室でつくった人工ダイアモンドを核廃棄物の半減期に対応する5,730年、連続的に駆動させる半永久電源を開発した。原子炉の黒鉛ブロックの表面の放射性炭素(C14)を高温で蒸発させて製造した人工ダイアモンドを安全なバッテリーに用いる。

放射線を受けたダイアモンドには起電力が生じる。その歴史は古く1970年代にはペースメーカーへの応用がある。寿命10年のPm147を用いた放射線駆動バッテリーが市販されていた。

 

Schematic of the proposed diamond battery consisting of the multi layer setup with

Credit: researchgate

 

研究チームが開発した放射性ダイアモンドは通常のダイアモンドに埋め込まれて安全なバッテリーとなる。このバッテリーのエネルギー変換効率は100%であるため、充電不要の無停電電源として応用が期待されている。

特に航空機や宇宙船、衛星の電源として有望視されている。研究チームが試作したダイアモンドバッテリーではNi63を放射線源としたが、黒煙型原子炉で大量に生成されるC14の利用を目指している。

 

放射性グラファイトは使用済み黒鉛ブロック表面に大量に存在する。英国だけで9,500トンに及ぶ放射性黒鉛が蓄積されている。もちろんバッテリー用途で使い切ることはできない。しかし安全なダイアモンドバッテリーに使うことで長期保存の施設整備の予算確保に十分な説得力を持つ。

核廃棄物に目をそむけることはできないのだから、有効利用を考えることも原子力利用の責務なのではないだろうか。この研究のポイントはβ崩壊なら容易に安全性を確保できる、ことにある。

 

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