CO2を水と電気でCOに還元〜人工光合成の進展

シカゴ大学と人工光合成研究センターの研究グループは水と電気でCO2をCOに還元するメカニズムを解明した(Singh et al., PNAS 713164114, 2017)。このため実用的なシンガス製造へ触媒開発の見通しが立ったことで、大気中のCO2を固定して液体燃料を製造する人工光合成実用化が期待される。

 

CO2還元による液体燃料製造は再生可能エネルギーを貯蔵可能なカーボンニュートラル燃料に変換することができる。米国では人工葉と呼ばれる光触媒による水分解の研究テーマと並んで、CO2固定でカーボンニュートラル燃料を製造するテーマが、エネルギー基礎科学の中心課題となった。

下図のようにバイオマスも代表的なカーボンニュートラル燃料とされるが、製造過程を含めるとCO2排出が大きいことから最近では、右のように空気中のCO2固定に中心が写っている。国内では未だにバイオマスの開発研究が進められているが、すでにバイオマスへの関心は失われつつある。

illinois biofuel co2

Credit: wattsupwiththat

研究グループは量子科学的に最低エネルギー反応経路を探すのではなく、励起状態の触媒と電解質を調べて、実際に起きている光合成反応のメカニズムを同定することに注目した。CO2から還元されるCOと水素が生成された際にこれらは水に溶けないので分離することが炭化水素製造のネックとなる。

一方、金、銀、亜鉛、パラデイウム、ガリウムを触媒とするとCO2と印可される電圧に依存して異なる比率の水素の混合物が得られる。研究グループはCOの比率が最も高いのは金触媒であるが、コスト的に銀触媒がスケールアップに適していると考えている。

 

04 07co2splitpresslrg copy copy

Credit: newscenter.lbl

 

国内では自動車産業がEV販売に出遅れガラパゴス状態を危惧する声も大きくなっているが、EVが普及しても限界があり内燃機関の車を全て置き換える現実度は低い。さらに仮に置き換えられたとしてEVの電力需要をどうするかどの国も手をつけていないのが実情である。しかし空気中のCO2を固定してカーボンニュートラル燃料を製造できるとしたら、EVに乗り換える必要もなく既存の車とインフラがそのまま使える。

 

関連記事

電化率はEVの本格普及でどう変わる

それでもあなたはEVに乗りますか〜EVの真実

カーボンニュートラル燃料を製造する光触媒

空気中のCO2で燃料合成〜ナノ触媒による炭素固定

CO2とメタンから燃料製造が進展〜非平衡プラズマ合成

 

 

You have no rights to post comments

スポンサーサイト

Copyright© 2013.   放射線ホライゾン rad-horizon.net   All Rights Reserved.