回収された大気中のCO2の海底貯蔵

 

パリ議定書の遵守を巡り議論が絶えない。米国はパリ議定書が先進国から発展途上国へカーボンタックスが流れるだけだと批判して離脱した。確かに排出ガスの規制だけでCO2濃度上昇を抑えるには無理があることは認識されているのに、CO2回収については消極的である。排出ガスのみが規制され(回収努力を伴わないで)排出権が取引されることには首をかしげる人も多いのではないだろうか。

 

大気中のCO2回収技術も研究開発が進んでいないわけではない。例えばアイスランドは地熱発電所で副産物として回収されるCO2を地中に貯蔵するプロジェクトを推進している。

回収されたCO2の貯蔵法として、固体として地中に埋める他に液体状態で海溝の水深の深い場所に人工湖を作る方法が提案されている(Energy Procedia 114 ( 2017 ) 5417 – 5429)。液体状態のCO2は水深3,000m以上で、密度が海水より7%高くなり、海底に溜まると考えられる。水深3,000m以上の場所は海溝に限られる。CO2の相図を以下に示す。

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Credit: Energy Procedia

 

海底で液体CO2はやがて固化するため海水中に溶け出さず、長期保存に耐えられる。研究によればインドネシア沖のスンダ海溝は水深6,000mで190億トンのCO2を貯蔵できるとしている。海水中に溶け込んだCO2濃度が高いと酸性化して海洋生物の生息に致命的な打撃となる。地球温暖化については地球表面温度の計測の誤差が大きくアカデミアの大半は懐疑的だ(注1)が、大気中と海水中のCO2濃度の著k戦的な増大は信頼性が高い。

(注1)各国の気象関係ここ立期間や米国物理学会は地球温暖化の仮説を支持している。

 

また最近の太陽光でCO2を還元して燃料アルコールを製造する触媒の研究開発が進み、実用化の見通しも見えてきた。CO2から燃料が製造できれば、大気中の濃度を上昇させずにエネルギー危機を乗り切れるので、貯蔵したCO2の利用価値は高い。

 

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 Credit: Energy Procedia

 

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