放射冷却を利用した無電源冷却システム

空調設備の電力消費は全世界が消費する電力の15%を占めており温室効果ガスの全排気量の10%を輩出している。2050年までに空調用冷却機器の需要は10倍に達すると予想されている。日中の放射冷却による無電源の冷却システムはエネルギー不足に備えるだけでなく排出ガスを減らす意味でも実現が望まれる。

 

スタンフォード大学の研究グループは2013年から鏡面を用いたプロトタイプ無電源放射冷却システムで温度が下がることを見出し、流れる水の温度が下がることを確認した(Goldstein et al., Nature Energy 2, 17143 (2017))。

実験では放射冷却で流量0.21min-1m-2の水媒体の温度が室温から5度下がることがわかった。これは排熱流束70Wm-2に相当する。このシステムで日照量の多い地域では空調設備の電力を21%(14.3MWh)節約できる。

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Credit: Stanford University

夜間の放射冷却は雲のない場合に効果が大きい。宇宙空間は温度が低いため地球の熱は放射冷却で地球外に輸送されて冷却が進む。放射冷却による熱輸送は冷却能力を有しているがこれまで積極的な冷却システムに使われることはなかった。放射冷却の効率を上げるために研究グループは太陽光反射率97%の多層膜と同時に表面の熱を放射する構造を用いた。

 

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Credit: Nature Energy

自然環境とそこに生きる生物は放射冷却は身近な存在である。放射冷却によって熱輸送されると晴れた日の夜が冷えここむことになる。エネルギーを使わずに空調ができたらエネルギー機器も恐る必要はない。一つ一つはわずかでもこまめに組み合わせていくことで、エネルギー危機を乗り切レルかもしれない。そうした知恵を使うためには危機がモチベーションになるかもしれない。

 

 

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