レーザー加工グラフェンを用いた水分解反応の高性能電極

水素製造は燃料電池の燃料としてだけでなく、エネルギー貯蔵の観点から重要度が増している。水の電気分解による水素製造技術は小型水素供給インフラの整備に重要な技術である。水素は貯蔵性に優れており、需要に応じた発電が可能になる。ライス大学の研究グループは中国の天津大学と共同で、グラフェン表面のレーザー加工により、水素と酸素を別々に取り出せる高性能電極を開発した。(Zhang et al., ACS Appl. Mater. Interfaces online July 28, 2017)

 

プラスチック膜を挟んだグラフェン膜両面について異なるレーザー加工を行うことによって、電極は電解質との電荷移動に優れと自身の高い伝導度と相まって高性能電極が実現した。

種明かしをすれば一方の電極(酸素発生反応側、下左)は多孔質表面にNi-Feが織り込まれ、水素発生反応側(下右)には触媒としてプラチナナノ粒子が埋め込まれている。厳密には酸素発生反応はNi-Fe触媒、水素発生反応にはPt触媒が使われている。

 

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Credit: Credit: Tour Group/Rice University

 

100 mA/cm2での水素発生反応、酸素発生反応のオーバーポテンシャルはそれぞれ214mV、380mVとなりターフェル傾斜も54mV、49mVと小さい。電極を直列結合すると水素と酸素の連続発生がそれぞれ電極の別の面で起こる。その時の電流密度は1.66Vで10mA/cm2であった。

この電極を用いると水素と酸素を分離して別々の電極面から取り出すことができるので分離プロセスが不要で実用プロセス向きである。レーザー表面加工技術と触媒金属をナノ粒子として分散することを合体して成功した例といえる。白金触媒はコストが高いとして敬遠する動きもあるが、ナノ粒子として分散させたりナノロッドの先端に埋め込むことで、コスト的な難点も解決された。CO2を使うカーボンニュートラル燃料合成と、水分解反応はエネルギー問題解決に向けた賢い選択となるだろう。背景には新材料(グラフェン)と成熟したナノテクがある。

 

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Credit: ACS Appl. Mater. Interfaces

 

 

 

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